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”ご報告”
数多の復活バンドと一線を画す活動
80年代国内インディメタルのMephistophelesが21世紀に成ってから再び活動し出したのを知らなかった管理人は、現在国分寺モルガーナのブッカーをしておられるニッキーさんとのブログ間やりとりで教えて頂き、地元名古屋に限った事ではあるがライブ会場へ脚を運び、その往く末を見守りつつ記事を書いて来た。
復活メフィストフェレスは、復活手始めに先ず80年代のレパートリーを、イレイサーヘッドのナンバーを含む全て再録の形で正式音源としてCDをリリース。その後、このリブログ記事を書かれている梶谷禎氏が工藤氏に代り、ドラムに佐藤氏を加入させて活動を続けた。
その後、沢井氏が脱退し、ラクリマのヒロ氏が参加するというショッキングな事態が起こり、CDをリリースし再現ライブを行う等の活動をしていたが、コロナ禍で一部ライブが頓挫する等し、予定の無い儘現在に至っていた。
過去の焼き直しとSNSを駆使した活動で集客しているバンドが蔓延る中、メフィストはAnthemやShow-Yaに同じく過去にしがみつかない前進主義を貫いた。なので、正直、過去の思い出のみに浸りたいファンには "ぶち壊し" とも思える CD もリリースしているが、クリエイティブな音楽活動に意義を持つバンドとしての姿勢として評価したい。
個人的に声をかけて頂いたりしていたので、批判的な事を書きずらい面もあったとは云え、このブログ内の記事に嘘や意に反した文章は無い。正直言えば最後の二枚のalbumが、80年代メフィストのファンには辛い部分があったのは間違いない。管理人としてもアプローチは多角度的であって構わないが、深く思い出として刻み込まれた過去の楽曲をいじくり回して仕舞うのは複雑な心境だった。沢井比可流氏の楽曲に関して、デモテープ及びアナログのオムニバスに録音された演奏は、何百回とそれを聴いてマイクラシックとしてきただけに悲しくもあった。
Rob氏の奔放に書かれたブログや、インタビュー記事、個人的にして頂いた話から推察するに、再結成する以上、其れなりの事をする、詰まり、過去の焼き直しではなく、メフィストとして現在やれるやりたい事をして魅せると云う活動であったと思う。しきりに若手のV系バンドのライブ会場へ脚を運んだりアプローチをし、lynch.との合同ライブを実現させる等、へヴィメタルという狭い枠だけでなく、ロックとして刺激を感じられる者ならば吸収しようという姿勢も、他の80年代復活バンドに無い動きであり、ラクリマのヒロ氏を加入させたのも驚きなら、コンセプトアルバムを制作し再現ライブまで企てたのは "復活までも前衛" であったと言える。
80年代の薫りを残しつつの名曲名演としては、CD-R でリリースされた4曲入りの音源が無類の格好良さで、沢井氏の個性的な部分がしっかりとメフィストしていたし、新加入の梶谷氏の80年代後半以降のテイストと不思議とマッチしていて、これは復活バンドの音源としても最高の一枚ではないだろうか。2000年以降のドラムパターンである佐藤氏のプレイも新風を吹き込んでいる。
ヒロ氏参加の件の過去楽曲変貌CDであるが、過去楽曲だけに限れば前述の通りなのだが、全体を通して聴いた場合、しっかり溶け込んでいて、あの時点でのメンバーの演奏として刻み込まれた音として、相当高度な物である。
そしてコンセプトアルバム。徹底的に攻勢に出た内容で、混沌とした中に新生メフィストのダークネスでへヴィな世界を感じる。ヒロ氏のトリッキーなギターが異質なのだが、梶谷氏のオーソドックスであり乍らへヴィさを保ちつつ切れ味のあるリフとソロが絶妙な絡み具合で成立している。枚数がかなり出回っていれば、いつか再発見再評価される一枚ではないだろうか。
過去音源の再発は多分無いだろう。それは復活当初に完璧な形でアルバムとして再録しており、デモをデモとして捉えるならば、正式音源化した一枚を既にリリースしているのだから。また、その後の活動を振り返ってみれば、それは新生メフィストとしての信念とは別物である筈だ。
化石に魔法をかけて復活させたバンド、萎れかけた花をドライフラワーにした様なバンドの "老後の趣味" に付き合うのも、一度や二度なら楽しいが、ずっと付き合うには "古すぎる" 。そんな中、過去の思い出や焼き直しでなく、復活してまた新しい事、現在やれるやりたい事を押し進める数少ないバンドが活動を休止するのは寂しいが、諸々の事情には抗えない。いつかまた、ふと "手が空いたから戻ってきました!" なんて嘯いて帰ってくるかも知れないし、無いかも知れない。イイ歳してバンド何ぞやっている事自体、カネと暇をもて余した駄目人間なのだから。そこは天性のカブキ者Robさん、何しても許されちゃうんだよなぁ、きっと。