一昨年可愛がっていた猫が亡くなった


突然具合が悪くなり3日程で息を引き取った。


16年一緒に居てくれた。


去年その亡くなった猫の兄弟が腎不全で亡くなった。


17年間一緒に居てくれた。


腎不全と分かってから半年間闘病をして逝ってしまった。


私が用をしている何十分かの間に息を引き取った。


毎日泣きながらエサを口に運んだり 殆ど寝ずに世話をしていた私に


最後の姿を見せずに逝った。




腎不全になってからエサを食べなくなり


毎日毎日「なんでも良いから食べて」とありとあらゆる物を用意した


全然食べてくれず 混迷していたら


ある日突然私の食べていたかっぱえびせんを食べた


凄くうれしかった。




私は多分ペットロスだったんだと思う。


今どうかと聞かれたらちょっと怪しい。


コンビニとかでかっぱえびせんを見ただけで涙が出てしまう。


仕方が無いとは分かってはいるのだけど 忘れられない。




長年いた2匹の猫以外にも飼っている。


1匹は私の猫。


もう1匹は彼の猫。


愛猫が亡くなって落込んでいた時 


へその緒が付いたまま 仮死状態になって庭に横たわっている黒い子猫を拾った


スグ部屋に連れ帰り暖めた。


この猫が元気になりスクスクと育ち始めた


この頃亡くなった猫の事を思い出しては泣く私に彼が


「ちびまやぁ飼えばいいさ(子猫飼えば良いよ」


と言った。


「もう動物が死んで行くのを見るのは嫌だ」


と言う私に


「俺がそっち行って一緒に住んだら俺のまやぁだばーよ」


元々猫が大好きな私は彼がこっちに来たら彼の猫だ!


と何か変な理由付けをして飼いはじめた。




私が居なくなったらこの猫はどうすれば良いんだろう。


彼に沖縄に連れて行って可愛がってもらおうかなとか考える・・・


さよならを言う前に話し合って置けば良かったと今更考えている。





会社を経営している義父

経済的にかなり苦しい状態が続いていた

倒産寸前なんて事はしょっちゅうだった

金策に困り夜中に一人で泣いている母を良く見た

私は早く働いて助けてあげたかった

ボーナス時期や給料日近くなると家には100円のお金も無くなる事があった


私が社会に出た頃 一緒に住んでいる祖母が頻繁に体調を崩し入院を繰り返していた

同時期 母が卵管破裂で倒れた。

手術をし長期入院となった。

私は母の仕事を手伝う事になった

2人が退院後 会社は横領にあった。

家の家計と会社経営にかなりの大打撃だった。

祖母の土地と家を担保に入れ銀行から借金をし一時乗り越えた。


毎月返済額だけで大変な事になっていた。

相変わらず母は金策に走る毎日だった

こんな生活が10年続いた

母がガンを患った時 私は母に仕事を辞めさせた

そして代わりに私が家の殆どをする事となった

生活費が入ってこない毎日は大変だった

時々は義父が家にお金を入れてくれたがそれも返済に回すので

生活費にはあてられない

母の病院代 祖母の病院代 電気ガス水道・・・

母が会社の為にした借金返済

全てで毎月60万以上が必要になっていた。

義父は会社を倒産させない様に必死だったと思う。

倒産すれば祖母の家を取られてしまうから。


「明後日までにお金が出来ないで不渡りを出したらもう倒産」

母が泣いていた。

「いくら必要なの?」私は聞いた。

「20万位」

「そう、じゃあ持ってるから安心しな。出してあげる」

本当は持ってなかった。私の貯金はもうすでに生活費等にあててしまい

残高は0に近い状態だった。

翌日色んな所に行きカードを作った。

これが私の借金のスタートだった。


数年が経ち 義父と母が別居をする事になった。

抵当に入れ銀行からした借金は1000万位に減っていた

でもこの時又会社はお金に困っていた。

今度は500万だった。

祖母が「別れるなら又銀行に入れて借りても良いよ」

と言った。

二人は別れる事になった。

これで会社は乗り切れた。


母は義父の所へ通っていた。

嫌いで別れた訳では無いので気持ちは分かる。

別れて欲しいと言った祖母の気持ちも分かる。

これ以上お金の心配なんかして身体を壊して欲しくないと言う願いだったと思う。

ただ この時私と母の借金だけで1000万は超えていた。

別れた後もお金の心配は付いて回った

私はこの1年後カード破産をした。

母は債務処理をした。

生活は断然楽になった。


「ママのせいでお前にこんな思いさしてごめんね」

母は時々涙ながらに私に謝る。

「何言ってんの、今こうして生きて一緒に生活してんだから幸せじゃん」

私は母が泣く度こう言っていた。


破産と共に私の恋愛も終わった。

当時結婚を前提に3年お付き合いしていた人がいた

親兄弟はお医者様 彼は弁護士を目指していた。

私は自分が重荷になってしまうのは嫌だった

別れたいと言えない彼に私からさよならをした。

彼と別れる辛さより 母が泣かない道を選んだ。


後悔はしてない。今母がお金に困り泣く様な事は殆ど無いから。










私はどうなっちゃったんだろうか。

自分が何を考えて行動しているのかが最近分からなくなって来た

病院へは行った。 でもなにも耳に入ってこなかった。

ただ拒むだけ拒んで来た気がする

何もかもが嫌だと言い泣いてしまった

今あるものを失う事と 自分の未来の時間が無くなってしまった事で

心が乱れてしまう。

本当は私は何がしたいのかとか

残された時間をどう過ごすのかとか

まだまだ考えられない。

家族や友達にはなるべく笑顔でいるようにしている。

それだけでいっぱいいっぱいだ。


生きたい。ただそれだけなのかも知れない。





読みかけの小説が読めなくなった。

彼の事を思い出して涙が出るから。


家族の顔をまともに見られなくなった。

隠し事をしている様な変な気分だから。


普通の事が出来なくなった。

私は今私が出来る事を見つける為に明日病院に行こうと思う。

あれきり行ってないから何となく行った方が良いのかと思う。

病院からは数日前に電話があった。

部屋の留守電に 来院して下さい と録音されていた。

行くのが怖いけど逃げてばかりもいられないから

きっと明日行こう。きっと・・・






彼が沖縄に帰った夜

ベットに置いてあった読みかけの小説の中から

前のペアリングより小さいサイズの指輪が落ちてきた。

今の私の指のサイズ等知るはずの無い彼

お揃いの指輪をはめられなくなった事 私は一言も言って無いのに


彼の左手の薬指には前のペアリングがはまっていた。

右手の薬指にはこの落ちてきた指輪と同じものがはめてあった。

何を想って本に挟んで行ったんだろう。

一言も口に出さずに帰って行った彼はどんな気持ちだったんだろう。

色々と考えてしまう。


私はさよならを選んだのに 彼の気持ちが痛かった。

指にはまってない指輪を落とさない様に確認していたクセが

今日は指輪がはまって指に金属の感触がある

確認する度 彼を想って涙が流れる。


今頃彼は沖縄で何をしているんだろう。

私のせいで泣いたりしてないだろうか。


ごめん 本当にありがとう。