兵庫県の最低賃金は10月1日から1001円になります。
前年960円から4.2%アップ。
一方、物価に関しては全国2022年度は総合指数2.5%アップ。
日々、実感する食料品だけで見ると、4.5%アップ。

私も過去に経験がありますが、「基本給で平均3%アップ」を実施していたのに、労働組合のアンケートでの不満・改善要望事項として「賃金が上がらないこと」に一定数回答がありました。

「ちゃんと昇給しているのに、分かってへんなぁ」

と思っていましたが、当時、正社員なら平均60時間/月だった時間外労働を25時間/月を目標に4年かけて削減していっている最中でした。よって、『給与の手取り額』を見ると、あまり変わっていない場合によっては下がっている時間外労働の多い社員が、そう回答していました。

つまり、『相当な覚悟を持って、頑張って昇給した』
という経営者側の想いはありますが、受け取る側は
『増えていない』と感じるケースがあるという事。

それが、近年では
『給与は上がったかもしれんけど、出ていく方がもっと増えているから、苦しくなった』
と感じる人も多いという事です。物価上昇で。

しかも、全国での総合指数は2.5%アップなので、それ以上に給与アップしていれば、つまり最低賃金4.2%アップなら

『昇給があって、増えたなぁ』となるかと言えば、そうではなく、
『食費がこんなに(4.5%)上がっているのに、この程度の昇給(4.2%)だと減ってしまう』
と感じる人がいても、おかしくないという事。

こうなってくると、純粋に『数字の問題』ではないんです。
気持ちの問題ですね。

そこで必要となるのはコミュニケーション。
聖徳太子も十七条憲法で

『人、尤だ悪しきは鮮なし。能く教うれば従う』
 

『誰でも、しっかりと話して聞かせれば、お互いに分かり合える』
という信念を持って、コミュニケーションをとる事が重要と言われています。

アンケートや面談を通じて、本音の不満や不安を聞き、そこに寄り添って、一緒に解決策を考える。
その過程で会社として出来る事を明確にして、分かるように伝える。『話せば分かる』という姿勢で。

課題解決、特に給与、待遇にあたっては、このような対話を積み重ねる経営者の努力が必要です。