2013-08-06 八木啓代のひとりごと

著者の岩本沙弓氏は、元外資金融機関の凄腕トレーダーで、現在、大阪経済大学の客員教授をつとめながら、金融コンサルタント・経済評論家として活躍しておられる美女である。

この岩本氏の近著が面白い。
まさに、国際金融の仕組みを知り尽くしたプロとして、消費税の正体と、なぜ、消費税増税とTPPが、まるでセットになったように現れてきたのが、明瞭かつ、説得力に満ちて語られているからだ。

消費税の問題点などについては、私は既に、斎藤貴男氏の著作「消費税のカラクリ」などを読んでいた。
斉藤氏の指摘する消費税の問題は、大雑把に分けて二つある。
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ひとつは、消費税は、結果的に零細から中小の企業や商店は、商品値上げによる売り上げの悪化を防ぐために、消費税分を自己負担することが多く、その結果、零細や中小企業に負担がかかり、倒産を助長する。また、同じ理由から、実際には消費税は、もっとも徴収率が低くなっているので、財政再建のために消費税を上げるというのは、矛盾しているということ。

もう一つは、一般消費者が知らないことだが、輸出企業には消費税は「輸出戻し税」として還元される。これによって大企業が潤う仕組みになっている。さらに、正社員には消費税がかかるが、派遣社員には消費税がかからないため、正社員を減らし、派遣社員に切り替えることで、さらに大企業が潤うという構造がある。
派遣社員の分の消費税は、名目上、派遣会社が負担することになるが、2年間は免除されるので、下請けの派遣会社を2年ごとに作り直すということを行えば、消費税はまるまる、合法的に脱税できるという驚くべき仕組みだ。

さて、ここで、岩本氏の近著に戻る。
彼女の指摘は、さらに鋭い。

この消費税の戻し税は、つまり輸出還付金は、2012年度だけでも2兆5千億円にものぼり、この半分が、経団連の大企業に還付されている、いわば、打ち出の小槌となっているということだ。
つまり、消費税が上がれば上がるほど、経団連は潤う仕組みになっており、それこそが、財界が消費税増税を推しすすめようとする原動力であることを、彼女は看破しているのだ。
そして、中小企業は値上げ分を価格に転嫁できないから、やせ細る。まさに、大企業をさらに肥え太らせるための増税であるということだ。

それでは、なぜ、これとTPPが関係があるのか。
つまり、この付加価値税分が輸出企業に還付されるために、その分、輸出企業は国際競争力を持つことができる。それは、じつは、米国にとっては、不利益となる。
だからこそ、経団連が求める消費税増税には、米国は諸手を挙げて賛成できるはずがなく、この消費税増税とのバーターとして、米国の国益となるTPPが浮上してきたのではないか、というのが、彼女の読みである。

読みといっても、ただの陰謀論的推論ではなく、上記の驚くべき内容が、豊富な裏付け資料と冷静な分析によって、裏付けられている。

消費税とTPP。一見関係がなさそうだが、なぜ、この話がほぼ同時に出てきたのかが、よくわかる。財界と米国、両方の機嫌を同時に取るためには、それが不可欠であったということだ。

そして、現在、与党絶対多数のもとで、消費税増税・TPPが着々と決まっていく中、これはまさに必読の書である。

田代再不起訴:ついに検察は最後の誇りも捨てましたね
http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-694.html
2013-07-31 八木啓代のひとりごと


 さて、想定通り、参院選が終わったのを見計らって、最高検が田代政弘元検事の不起訴を出してまいりました。言うまでもなく、田代氏が拘束された事実もなく、したがって、真面目に捜査などしていたわけなどなく、はじめから結論ありきの結果としか言いようのないものでした。

 一緒に、「東京地方検察庁元特捜部検事に対する虚偽有印公文書作成等事件の処分について」と称する説明と50分ほどの記者会見が行われたそうですが、告発人兼申立人である当会には、一切のご連絡はありませんでした。

 ちなみに、この記者会見は、フリーの方は締め出しで、司法クラブ記者のみを対象に秘密裏に行われ、江川紹子さんが記者会見の有無についてお問い合わせをされたときには、最高検は、はっきりと「記者会見をしない」とおっしゃったそうです。

 で、あたくしからの情報で記者会見が「あった」ことを知って、激怒なさった江川さんが、最高検に再度問い合わせたところ、なんと、「あれは『記者会見』ではなく『記者対応』です」と、文字通り、よくも恥ずかしくもないものだというような言い訳をしたそうです。
 

 もっともそれもそのはず。同時に記者に配布された「東京地方検察庁元特捜部検事に対する虚偽有印公文書作成等事件の処分について」。
 いや、何と臆面もなく、検察審査会にボロカスに否定された最高検報告書、ほぼそのままの内容を踏襲した代物です。もっとはっきり言うと、もはや恥も外聞もない劣化コピー。
 あくまでも検察というところでは、3ヶ月前の記憶と昨日の記憶が混同するのは、「普通のこと」のようです。

 参院選で自民党が大勝したこともあって、もはや司法改革もあるまいとタカをくくり、膿を出すどころか、不祥事を徹底隠蔽するという方針を、改めて露わにしてくれました。

 検察審査会は、本来、このような検察の不祥事を審査するための会であったはずですが、お身内の補助弁護士の大活躍のおかげで、なんとか起訴議決を出さずにすみ、不起訴不当が出た段階で、こうなることは、ほぼ予測していたわけですから、むろん、審査員の皆様も、結果的に、検察の不祥事隠蔽に一枚噛んだことは自覚して頂きたいものです。

 むろん、これだけの、検察始まって以来の大不祥事の検察審査の補助員に、会長が独断で元検察高官で、しかも臑に傷のあるヤメ検弁護士を推薦し、その理由もまともに説明できないという点では、東京弁護士会の腐り具合もなかなか大したものであると思います。

 いずれにしても、検察の方は、これで終わったと胸を撫で下ろしておられることでしょう。人の噂も75日、このまま風化させようということでしょうが、この事件をこういう形で集結させたことは、まぎれもなく歴史に残り、後世の人々の間で、研究の対象とされるでしょう。
 なにより、これで、もはや検察に対する信頼は、完全に崩壊してしまったと思います。

 わずか2年半前の大阪地検の証拠改竄事件の時は、「あの特捜が、証拠を改ざんした」ということや、裁判で供述調書の信頼性が否定されたことにに世間は衝撃を受けたものでしたが、それから、坂道を転がり落ちるように、すでに供述調書は、かつての信頼性を完全に失い、検察が平気で証拠や報告書を改ざんし、さらに法廷で偽証し、なおかつ、それがバレてしまったら、小学生でも説得できないような理屈で隠蔽するということが明るみになってしまったのです。

 で、私たちは、これで終わらせるかって?
 どうでしょうね。検察の皆さんが、胸を撫で下ろすのはまだ早いと思いますよ。(笑)


東京地方検察庁元特捜部検事に対する虚偽有印公文書作成等事件の処分について
http://shiminnokai.net/doc/20130731fukiso2.pdf

2013年7月26日 9時43分  天木 直人 | 外交評論家

まるで絵に描いたようなシナリオどおりの対米従属だ。

きょう7月26日の各紙が一斉に書いている。

日本郵政が米保険大手アフラックのがん保険を全国の郵便局で販売することがわかったと。

あまりにも屈辱的だ。

日本郵政が生き残りのためにかんぽ生命の業務拡大をしようとした時、民営圧迫といって真っ先に反対したのは日本のがん保険市場独占を狙った米国保険会社である。

そして米国政府はそれを公然と支援した。その米国はTPPで例外なき自由化を日本に対して求めて来た。

ところが自動車と保険分野に限ってはTPP交渉の事前協議とやらで、早々と日本に対し例外を要求し、日本はそれをあっさり丸呑みさせられた。

すなわち日本政府は昨年11月にかんぽ生命ががん保険の独自商品販売を申請をしてもこれを認めない方針を米国に表明したのだ。

これでどうやって日本郵政は生き残れるのかと思っていたら、米がん保険会社の代理店となるというわけだ。

日本郵政が米保険会社の下請けと成り下がって日本の保険市場を独占し、日本の保険会社を公然と締め出すのである。

しかもそれがこれから始まるTPP交渉における米国からの圧力をかわすための政治的配慮だという。

どこまで日本政府は対米従属的であるのか。

それを当たり前のように報道する日本のメディアもまた米国の代理店に成り下がっている。