日本と米国との関係で日本の主権者国民が絶対に把握しておかなければならないことは、日本政府から米国への巨大な資金移動があるという事実だ。
その代表は日本政府の外為介入を通じた米国への資金供与である。
日本政府は外為介入の名目で米国の国債を購入しているが、この資金は日本から米国へ提供されたら最後、返ってきたことのない資金である。
日本から米国への「上納金」の性格を強く帯びている。
さらに、これ以外の資金供与が検討されてきた。
それがSWF=Sovereign Wealth Fundと呼ばれるものだ。
外貨準備=外為介入を通じた日本から米国への巨大資金移転に加えて、SWFを通じる日本から米国への資金供与の策謀が企てられている。
米国による日本の富の収奪である。
残念なことは、日本の内部に米国と通じて、日本の富を米国に供与することに積極的に加担する人間が存在することである。
これを「売国者」と呼ぶ。
1.この点を、外貨準備を通じた巨大資金の米国への供与
2.郵政マネーの米国への提供の画策
3.SWF新設による、米国による日本の富の収奪謀略
の三つに分けて概観しておきたい
外貨準備を通じた日本から米国への巨大資金供与については、昨日付のブログ記事
メルマガ第467号記事
にも記述した。
2007年6月末の外貨準備残高は9136億ドルだった。当時の為替レート換算で113兆円。
日本政府は2011年末までに3822億ドルを買い増しした。2011年の外貨準備残高は1兆2958億ドルに達した。
この間に3822億ドルのドルを買い増しするのに投入した資金は38.2兆円。
元本と追加投資資金合計は151.5兆円。
2011年末時点での外貨準備の円換算金額は98.4兆円。
4年で53兆円の為替差損を計上した。
この資金を全額、金地金=ゴールドに投資していたら、2011年末時点で時価評価は228兆円だ。76兆円の評価益が生まれた。
米国国債での運用との差額は130兆円になる。
130兆円の機会損失を国民に与えたとも言える。
世界の国々の外貨準備を見ると、米国、ドイツ、フランス、イタリアなどは外貨準備のなかの7割以上を金地金にしている。
国民の利益を優先するなら米国国債ではなく金地金で外貨準備を保有するべきだ。
日本政府の外貨準備残高は、2002年9月末の4607億ドルから2004年3月末の8265億ドルへと3658億ドルも増えた。
この期間、竹中金融行政は金融恐慌の不安を煽った。株価は暴落したが、竹中金融行政はりそな銀行を公的資金で救済した。
つまり、小泉竹中政権は、日本経済破壊・日本株式暴落を誘導しつつ、外為市場での介入によって、米国に日本株式・日本不動産を買い占める資金を提供したと推察できるのである。
郵政マネーによる米国への資金供与提案についても、はっきりとした証拠が存在する。
2008年4月20日他に放送された「朝日ニュースター」BS放送番組『竹中平蔵・上田晋也のニッポンの作り方』第3回のなかで、竹中平蔵氏は次のように発言した。
この発言は「ダイヤモンドオンライン」『サブプライム危機の真実 民営化した郵政は米国に出資せよ』に収録されている。
「そこで今回、ニッポンの作り方として、「民営化された日本郵政はアメリカに出資せよ」とぜひ申し上げたい。」
「翻って考えると、日本にはかつてとんでもなく巨大なSWFがありました。それが今の日本郵政なんです。資金量でいうと300兆円。他のSWFとは比べ物にならないほどのSWFがあったんです。民営化したので、今はSWFではない。だからアメリカから見ると安心して受け入れられる、民間の資金なんです。」
竹中氏は日本郵政が保有する国民資産300兆円を、民営化の名目の下に
米国サブプライム危機対策に流用せよと主張したのである。
リーマンブラザーズが破たんしたのは2008年9月15日だ。この提案が実行されていたら、日本国民はとてつもない損失を蒙ったはずだ。
「民営化」といっても株式会社化されただけで株式は100%日本政府が保有していた。株式会社化されていたが完全な国有企業だったのだから、竹中氏の発言はまったく正当性に欠いていた。
また、郵政民営化が4分社化された鍵は、その資産分配にあった。
詳細は後段に譲るが、日本郵政マネー300兆円の米国への供与以外に、日本郵政が保有する巨大不動産の外資への供与が念頭に置かれていたのだと思われる。
そして、いま、再び日本政府によるSWF創設が水面下で画策されている。
新たに日本政府が50兆円の資金を米国に上納する売国政策の画策である。
現在の円安・株高のシナリオがこのSWF創設と組み合わされている可能性がある。
2002年から2004年にかけて、日本政府が米国に資金を供与して日本株の暴落と暴騰が演出されたのと類似した図式である。
こうした日本から米国への巨大利益供与事案について、日本の主権者国民は、まず事実を認識し、これを絶対に阻止する活動を本格化させなければならない。
2013年1月10日(木)
安倍晋三首相は、原子力発電所について「科学的安全基準のもとで再稼働を判断していく」(4日)とし、新規建設についても「直ちに判断できる問題ではない」としつつ、首相秘書官や経済財政諮問会議の民間議員に「原子力立国計画」をまとめた官僚や原発大手の東芝社長、東京電力社外取締役を充てるなど、原発推進へ露骨に動いています。
安倍首相は、再稼働と新規建設を容認する姿勢を示しています。首相は、側近中の側近ともいえる政務秘書官に経産省の前資源エネルギー庁次長の今井尚哉(たかや)氏を充て、事務秘書官に経済産業政策局審議官の柳瀬唯夫氏を選びました。
今井氏は昨年2月、大飯原発(福井県)の再稼働を進めるために橋下徹大阪市長と東京都内で密会するなど暗躍した人物で、原発の地震・津波対策を怠った「A級戦犯」ともいえる第1次安倍内閣(2006~07年)で事務秘書官を務めました。
柳瀬氏は06年、小泉内閣(官房長官は安倍氏)のもとで「安全神話」にもとづく「原子力立国計画」(経産省・資源エネルギー庁)をまとめた事務局メンバーです。甘利明経済再生担当相が第1次安倍内閣の経産相としてこの「計画」を推進しました。
9日に始動した経済財政諮問会議(議長・安倍首相)の民間議員となった東芝の佐々木則夫社長は入社早々、東京電力福島第1原発の配管を担当し、原子力技師長、原子力事業本部長を歴任するなど原子力事業一筋。06年に米原子力大手企業ウエスチングハウスを買収した“功績”が評価され、09年6月に社長に就任した人物です。大間原発(青森県)の建設も東芝が受注しています。
佐々木氏は原発事故直前の11年3月、「2015年度までに39基受注し、売上高を1兆円にする目標を掲げております」(東芝アニュアルレポート2011)と豪語。世界最悪の福島第1原発事故後も「再生可能エネルギーが即、原発の代替になるかというと基本的に難しい」「原発事業がなくなるとは思っていません。当社の原発関連売上げの7割は海外向けです」(『日経ビジネス』11年8月29日号)と無反省です。
同会議の民間議員に起用された三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長は、東電社外取締役を務め、「いかに原発を再稼働するかだ」(7日)と語る原発推進派です。