N県女子大生Aさんの話。

Aさんは中学2年の時、盲腸で入院しました。

手術後、1日目は看護師部屋の隣で安静だったのですが、2日目に病院二階の個人部屋に移動しました。


その日、夕方くらいでした。

ベッドから外を見ていると、病院の敷地内を車椅子を押して歩いてる看護師さんがいました。

どうやら女性看護師と、老人のようですが、どちらも下を向いていて表情は見えません。

何かを話している様子もなく、そのままゆっくりと歩いて行ってしまいました。

この時Aさんは「せめて何か話しながら散歩すればいいのに」と思ったそうです。


次の日、また夕方くらいにその2人が見えました。

しかしやはり会話をしたりしている様子もなく、2人とも下を向きながらゆっくり歩いて行きます。

Aさんは、また来たと思いながら先日よりじっくり観察しました。

やはり会話をしている感じがないのですが…妙な事に、「車椅子を押している看護師さんの手が、車椅子と一体化している」ように見えたのです。

Aさんは視力が良い方だったので、見間違えるはずないよな…と思いながら目を凝らしました。

しかしどう見ても一体化しており、怖くなったAさんは目を逸らしました。


すると担当の看護師さんがちょうどAさんの部屋に入って来ました。

Aさんは「あの看護師さんが…!」と窓の外を指差しました。

しかしすでにそこに看護師さんと車椅子の老人はいませんでした。

Aさんは先程見たものを説明しました。(手の事は言わなかった)


看護師さんはすぐに窓を開けて見渡しました。

「変ねぇ…ここ、普通は散歩コースじゃないんだけど…」

看護師さんいわくそこは散歩でも使わない裏庭。新人が間違えて入ってるのかもしれないと言う事で、次に見たらすぐにナースコールを、と言われました。


次の日の夕方、外は大雨で、Aさんは「さすがに今日は来ないだろう」と思いながらぼんやり外を眺めてました。

少し小腹が空いたのでお見舞いのお菓子に手を伸ばしてまた窓の外を見た瞬間…


いました


雨の中、傘もささずにうつむいて車椅子を押す看護師。

それに、やはりうつむいたまま車椅子に乗っている老人…


ありえない


と言う感覚が芽生え、強烈な恐怖を覚えました。

すぐにナースコールを押そうと手を伸ばした瞬間…


ガンッ


窓がたたかれた音がしました。

Aさんはビクッとなって固まってしまい、そちらを振り向けません。


…ここは2階、窓を叩くなんてありえない。鳥か何かがぶつかったんだろう…


と、思うも、心臓はバクバクで汗が止まらず…そちらを見れません。


すると、ガンッガンッ!と、窓がさらに激しく叩かれました。


するとその瞬間、部屋の入り口のドアがガチャっと勢いよく開き…

見慣れない看護師さんと担当の看護師さんが入って来ました。


看護師さんたちは窓の方をチラッと見て、「部屋移動になったから、違う部屋行こうね」

と言いました。


Aさんは訳が分からなかったですが、怖さから解放されたので泣いてしまいました。


部屋を移動した後は特に何も起きず、その後に無事退院出来ました。


しかしAさんはあの日の出来事と違和感は忘れないそうです。


雨の中、車椅子の老人と看護師の散歩…

2階なのに窓を叩く音…

看護師さんたちが部屋に来た瞬間、窓の方を見た事…

なぜ部屋を移動したのか、移動するだけでもう1人看護師さんが来たのか…

部屋を移動した後、トイレに行くのにその部屋の前を通ると中で先程の2人の看護師さんが険しい顔つきで話をしていた事…


あいにくその後はほとんど看護師さんと話さずに退院したので、詳しい話は何も聞けなかったそうです。


病院はやはり得体の知れない何かがいるのかも知れませんね…




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