児童文学と聞いて何を
イメージするだろうか?
狭い意味では子供のために
書かれた文学のことである。
しかし児童文学の定義は
時代によっても異なってくる。
誰もが知る『ロビンソン・クルーソー』や
『ガリバー旅行記』は元々、大人のために
書かれた物語であるが、子供が読む本と
考える人も多いであろう。
反対に『ハリー・ポッター』のシリーズは
大人にも当然のように愛読されている。
児童文学は物語の語り手は
大人であることが多く、
子供を描いていても大人の視点を通過している。
子供が読むのにふさわしいであろう、
という大人の判断が必然的に伴っているのだ。
主題は、伝統的に性、暴力、排泄などを
回避する事が多い。
そして児童文学を研究する人は、
直接子供とかかわる事が多い女性が多い。
また児童文学の作者も女性が多い、
というのが特徴的であろう。
大人の関与が必然的な児童文学であるが、
将来は子供の作者による児童文学が
生まれてきてもいいのではないか?
文学ディレッタント 飯島 昭典