通勤じゃなくてよく使うわけでもなく乗る電車。
もちろん満員でもなく、人はぽつぽつ程度が良い。
進行方向に座席が向けられている電車ではなく、対面式となっている電車。
ドアからすぐのところに腰掛け、音漏れしない程度に最大の音量で音楽を流す。
曲はbpmが速いテンポならなお良い。
流れ出した音楽とともに動き出す街並み。
見慣れているところから離れていく景色。
住宅街、畑、田んぼ、干している洗濯物や、生活感のあるベランダ、今にも壊れそうな小屋。
駅に近づくにつれ、増えるお店。
ぼーっと眺めては、気づけば音楽は止まってることも忘れてしまう。
対面に座る人が変わると、その人の予定を勝手に予想してみたりする。
各駅停車なら開いてるドア付近は寒く、またやってしまったと後悔。
目的地が近づくにつれ乗り慣れてない私はそわそわしてしまう。
少し仮眠なんかしてみせる電車上達者に憧れを抱いている。
携帯カバーに挟んだ切符を改札に着く前には出しておき、スマートに通過する。
この時、切符を買った瞬間に発生する使命感から解放される。
電車はいとおかし。
今日はそんなことを思って書き始めたものだから、せっかくの電車を堪能できなかったのである。
いとかなし。
だからといって、また乗ってやろうとは思うわけでもないのだから不思議なもので
でもそれもまたいとおかし。