休日出勤。
暑かった~
さて、春樹御大の新作も思ったほど話題になっていないが、それ以上に話題になっていないのが、村上龍の新作『ユーチューバー』である。
龍さんの作品にしばしば登場する〈ヤザキケンスケ〉の回想を中心に展開してゆくので、この新作について、龍さんが過去を総括しはじめた…という感想もあるようだが、確かに一理はある。「Ryu's Bar」も「カンブリア」も、この作品の肥やしになっているのだと思う。
がしかし、それだけではないような気がする。
じゃあ何なのか?
それはまだよくわからないのだが、個人的には、作品全体に流れる〈軽さ〉がとても気になる。その〈軽さ〉は意図的なものだと思うのだが、事がシアリアスな部分に入り込もうとした矢先にサッとかわされる感じ。
リフレインされる、「言おうと思ったが言わなかった」とかね。
それが真実かどうかも含めて、シアリアスな事柄をことごとく回避してゆく。
あれ、
それってもしかして現代社会そのものなのでは…。
おっとっと…、
油断するとシアリアスになってしまうではないか。
最後の〈自由〉っていうのも、そんなにたいそうなものとして受け取る必要はないのかもしれないね。
〈自由〉とは…なんて言っている時点で自由じゃないっしょ。
一つだけ言えるのは、こういう小説は決して村上春樹には書けないということ。
まあ、ご本人も別に書きたくもないだろうけれど。
龍さんの、一連の作品の物語性を期待して読んではいけません。
いや、まあ、これも一つの物語か…
いまだに暑い・・・