なんとなくキャロル・キング「タペストリー」を聴いていて、大崎善生さんの「タペストリー・ホワイト」を思い出す。
大崎さんの本は初期の「パイロット・フィッシュ」や「アジアンタム・ブルー」の頃から好きだ。
しかし、なんといっても「タペストリー・ホワイト」がベスト。
この本を勧めて、「良かった~」と言ってもらえる確率はかなり高い。とくに女性には…。
その割に世間では話題にならない。
まぁその方が、〈密かに愛している本〉的なニュアンスが出て、悪くない。
 
大崎さんといえば、新刊「ユーラシアの双子」という上下巻の長編をつい最近読んだ。
これも大作の割にはあまり話題になっていないけれど、長さを感じさせない良い作品だった。
切ない、切ない小説だった。イメージ 1
甘っとろくて、クサイ物語だけど、私はギリギリでOK。私もけっこう甘っとろいオヤジなのだ。
(「スワンソング」という大崎さんの作品があるけれど、あれは私でもアウトです。)
シベリア鉄道沿線の地名がたくさん出てきて、地図帳を片手に読むのも楽しかった。
中年(老年)と若い女、このパターンにはやはり弱い。
 
しかし、「タペストリー・ホワイト」は超えていない。
キャロル・キングの他のアルバムが「タペストリー」を超えていないように。
個人的にはそう思う。
                                                                                              このCDも汚い…。