ついにその時がきた。

 

葉菜や果菜とちがって収穫前に「どれぐらい採れるか」がわからないのが、地中のものを掘り出す根菜たちだ。

 

わからないから面白い。

失敗も許される家庭菜園のだいご味といえる。

 

根菜といっても、人参やダイコン、かぶやビーツは実の上部がすこし地上に出るからある程度は想像できる。当園で「事前に出来がわからない度」が大きかったのは、サツマイモ、ジャガイモ、ミニゴボウ、山わさびだった。

 

その尺度でいえばNO.1まちがいなしがこの落花生だ。当園で今まで育てたことがない。しかも今まで落花生がどのように出来ているか、収穫体験したこともない。

 

1週間前におそるおそる掘ったところ、ひとつ、網目のない落花生が見えて「まだ早いか」とあわてて土をかぶせた。

 

 

ついにその時がきた。

 

小4の姪っ子が、枯れかけた茎葉をわしづかみして腰を落とし、よいしょっ、と引っこ抜こうとする。いつもは写真だが、今は動画モードでこちらもスタンバイする。

 

土の中から、めりめりっという音が聞こえた。いや、実際音はしてなかったかもしれないが、見た目からの錯覚かもしれない。

 

―おおっ、すごいっ。やった。

 

ふつうに売っているサイズの落花生が次々と現れると同時に、周囲の、おふくろを含む5人の大人たちから歓声があがった。

 

 

 

長さ80cm、幅40cm、当園で最大のプランターに1株だけ植えて5か月がたつ。

 

 

1株で100個ほどの、しっかり実のつまった落花生が採れた。

 

 

家庭菜園では殻だけ立派で中身がはいっていないことがよく起きる。今回は途中でカルシウム、カリウム補給をすべく追肥でじっかり草木灰を施したのが奏功したのか、秀品率が高かった。

 

掘り上げの興奮さめやらぬなか、お袋がひとつずつ苗から実をはずして大きな竹カゴにいれた。階下ではすでにお湯が沸いており、収穫3分後には塩ゆでが始まり、20分後には熱熱をほうばった。

 

(採れたて茹でたて落花生)

 

―うーん、甘いっ!

―おいしい!

 

一口目からシンプルな感想が6人全員からつぎつぎと。採れたては美味いとは聞いていたが、ここまでとは…。

 

素人菜園、今年のベストシーンの一コマだった。

追)2週続いた姪っ子たちの落花生掘りのあと、先日、ようやく自分の番がまわってきて4プランター目を掘り上げた。