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Summer Wave #1 将亮 1

蝉の啼(な)き声は五月蝿(うるさ)く、淋漓(りんり)する汗がべたつき少し厭(いや)だが、潮の匂いや偶にしか聞こえないエンジンの音、風鈴の玲瓏(れいろう)な音。

そんな田舎の長閑(のどか)な雰囲気が、日頃の喧騒から離れている事を実感させる。

仰臥(ぎょうが)して呆けているとそんな事を考えたり、感じたりする。


ワン、ワンと外から犬の声が聞こえる。

チビだ。

チビは祖母の家の柴犬で、従妹のさくらが昔何処かで拾ってきたのは良いが、さくら達家族の住むアパートでは飼えなく、仕方なくここにいる事になった犬だ。

「将亮(まさあき)釣り行こうぜ」ドダドダっと慌ただしく腕白な足音が聞こえると亮(りょう)と聡(さとし)が乗っかって来たから、蹲(うずくま)って「おわっ」と驚いてしまった。

「お前らびっくりするだろー」と間延びした声をだして言うと「にっしっし」と二人して笑っている。

「釣りかー、良いな。行こうか!」と抑揚のある声を出すと「やったー!」と無垢に喜ぶ。
そんな雰囲気も良い心地にしてくれる。

「だから将亮好きだ」と嬉しい事を言う。

「よし、爺ちゃんから竿と針と錘(おもり)と借りないとな」と言うと、二人は目を合わせにやついているから、首を傾げる。

「俺ら先外で待っているから、将亮は爺ちゃんに借りてきなよ」と亮が言うと二人はまたドダドダっと走って行った。


Summer Wave 2


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