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一円玉5

好きなものは何ですか。

何処かで来たことのあるようなフレーズで問われる。

「そうですねー。私が好きなものはビールですね。目覚めのいっぱい!これに勝るものは何もないのですよ。あなたはどうですか?」あまりにも何も見つからないために、彼女は何か違う話をしたかったのだろう。第一に私だってそうなのだから。

「ビールですかー。そういうのってやっぱり良いものなんですか?私が好きなものって言えば、晴れた日の海ですね」

「ビールはいいものですよ。社会で疲弊しきった私を一気に生き返らせてくれますからね。晴れた日の海ときましたか。それは暑いから、入ると気持ちいよね!っていう極めて単純な理由からなのか。はてさて、男達の精悍たる肉体にアソコを濡らしちゃいますー!っていう極めて、不純な理由からなのか、はたまた、侘びさび的な情緒からのものからなのか、どうなのですか?」

「なにを!私はそんな不純な事は思いません!!あなたみたいな、人が本当に全うな警察官なのか疑いますよ!って言っとくのが、私のキャラ的に良いかとおもったので、ちょっとはしゃいでみたのです」

「女子高生も面白いもんなんだな。今までただの気まぐれで、体を売っちゃう様な守銭奴みたいな奴らだと思ってたよ」

「そんな偏見を!!!海はですね。幼いころに家族で行ったところなんですよ。そのころは、あ、私の父は転勤族なので、私達はあるときから、別々に暮らしているのですが、もー殆ど会いませんね。父と母の問題には、私は口を出せないのです。それで、一緒に暮らしていたとき、皆が仲が良かったときに連れて行ってもらった場所なのです。唯一記憶があって楽しかった場所。そういう思い出があるから好きなんです」

「そんな事を言っても同情は引けませんよ。そういう事情は多かれ少なかれあるものです。私はここで、OLと女子高生どちらかと結婚しなくてはならないとしても、その理由から君をえらんだりはしない。断じてな!」

「いや、もう言ってる意味が分からない」

「断じてな!」