On nOthing  -307ページ目

Summer Wave #8 さくら 3

「さくら帰ろうぜ」とクラスのキムは言って来た。

「うん!」といつも通りの返答をする。

「オッカ、ゆみ行こう」といつものメンバーに声をかける。ランドセルを背負い、先生にさよならと挨拶し教室を出た。

「今日の給食旨かったよな!」とオッカは言う。

「うん!肉じゃが一番好き」とキムは言う。

「えー私はシチューが好きだな」とゆみが言う。

「うーん迷う。カレーも捨てがたいし、麻婆豆腐も・・・」給食はどれも美味しかったから、考えれば考えるほど迷う。

「確かになー。でも俺はやっぱ肉じゃがだな」とオッカは頷いている。

「明日のプール嫌だなー」ゆみは暗い顔をして言う。

「なんで最高じゃんプール」とキムは言う。

「うーんだって泳げないんだもん。皆は泳げて良いな」

「そっかー、でも涼しいからいいじゃん」オッカが言う。

「うーん・・そうだね」と言いゆみは繕うように笑顔をみせた。その時に何か他の心配事がある様に感じた。

「大丈夫?」と私は聞いた。

「うん・・大丈夫」

「ならいいんだけどね」

「犬がいる」とオッカが急に言う。
学校をでて、通学路の途中にあるお地蔵さんの前に犬がいた。

「柴犬だ」と私は言い寄ってゆく。

「可愛い」と言い、犬を撫でると愛想よく頭をすり寄せてきた。
皆も可愛いと言い犬を撫でる。

「どうしたんだろう?首輪もつけてないし」ゆみは言う。

「野良かな」とオッカは言う。

「うーんそうかも」と私は思う。
「そっか」とキムは言う。

「どうする?」とゆみは言った。なにを?

「どうするって?」オッカは言う。

「だってこのまま放っておけないよ」

「なんで?」

「うーん、誰か連れて帰れない?」とゆみは訊く。

「無理だよ」と私は即答してしまう。何度か猫やうさぎを連れて帰ったがアパートでは動物が飼えなく、親に怒られ、話すことになったからだ。ゆみがそんな事を言う事が良く分かったが何度も同じことをして、その度に放すことになる悲しさがもう嫌だった。

「うちも無理だ。」とキムは言う。

「急に言われても」とオッカは言う。

「でも、このままだったら車に轢かれちゃうかもしれないし、餓死しちゃうかもしれないし、保健所に連れてかれちゃうかもしれないよ。そしたら、このこ死んじゃうんだよ」と大変な話しをする。

「そうかもしれないけど」とキムは困惑しながら言う。

「分かった。取りあえず聞いてみよう」とオッカは言い、皆でオッカの家まで行くことにした。




「ダメだって」とオッカは家から出てくるとそういう。

「・・・皆で飼おうよ!」とキムが提案する。

「・・どうやって?餌は?」ゆみは訊く。

「そんなの隠して持って来ればバレないよ。場所は秘密基地があるし」キムはもう決定したみたいに言う。

「でもあそこじゃ雨が降ったらびしょ濡れだよ」私は言う。

「犬小屋作ろうよ。俺得意だし」オッカが言う。オッカのお父さんは大工さんだ。だからオッカは工作が得意だった。

「出来るんじゃない?」キムは言う。

「出来るかな?飽きちゃわない?」と私は言う。

「大丈夫だって」とオッカは無邪気そうに言う。

「やってみようよ」とゆみは笑っていう。

「・・そうだね。」と私も言う。犬の気持ちを考えるとそれは正しいことに思えた。

「とりあえず、飼い主は探そう。その間は飼う。」とゆみは言った。



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