すごく絶妙なバランスで立っているとして、扇風機の風が当たるくらいでバランスを崩して倒れてしまうことがあるなら、どれくらい立っていられるのか。
すぐに倒れてしまって、何度起き上がっても、またすぐ風に煽られて倒れて。
これを繰り返すうちに風に煽られても、体勢を保つ技術を身に付けていくのだろう。
そこから次第に、立ち続けることが出来るようになって、次は足を前に出すことを始めようとする。
けれども、足を出したときのほんのちょっと。地面から足が離れただけで、また倒れてしまう。
これを繰り返して、一歩を踏み出すことを覚えていく。
やっと、一歩を踏み出せた人間が右を見たら、隣はすでに歩き始めてる。
左の人間は既に走り出しているかもしれない。
その人間は、自分が周りに置いていかれるとあせるのだろうか。
けれども、後ろを見たら、まだ立つことすらままならない人間がいるとしたら、安心するのだろうか。
自分に余裕を持つことが出来るだろうか。
走り出した人間が空を跳び始めたとしても、自分の現状に満足したまま、自分のペースを守り続けて、自信を持ちつづけることで、また新たなステップを踏めるのか。
常に前を向き続けて歩いて、バランスを取るために下を向くことを捨てて。
ただひたすら自分の可能性をかけて努力しつづける。やがて、後ろにいた人間に追い抜かれる日が来るとしても。
その人間が前にいる人間を追い抜くことが出来ないとしても。