お久しぶりです。

建築太郎です。


注文住宅は外壁から床材、間取りなど決める事が沢山あり考えることも非常に多いです。

しかし、モノとして残らないものの、住宅ローンも実は考えることが多く、大変な事だと実感しました。


私の考えたことや経験したことなどを備忘録として書き連ねておこうと思いますので、もし今から住宅ローンを組むことになる人がいれば、参考にしてください。



① 融資実行回数について


銀行は、融資したお金に対しての使い道について、非常にシビアです。

以前はまかり通っていたような、住宅ローンを借りてそのお金で車を買うだの、先に融資を実行してもらって自分たちで後から支払ってゆくだの、そのような事はあり得ません。


最近は、融資実行回数は1回の銀行が多いです。

つまり、竣工時(完成して登記が完了した段階)に一括で融資実行、となります。

なので、例えば土地購入費用も必要になるとか、私のように工務店で頼むと数回の支払いが必要になります。

こうなると、融資の分割実行が可能な銀行を選ぶか、つなぎ融資を別に契約する必要が出てきます。


分割実行が可能な銀行は、私の調べた範囲では横浜銀行、静岡銀行、りそな銀行などが当てはまります。

それぞれ可能な実行回数の上限が異なりますが、概ね3,4回といったところです。


つなぎ融資が可能な銀行は、みずほ銀行、楽天銀行やARUHIなどネット銀行が主体です。

つなぎ融資の場合、住宅ローンの実行回数は1回のみで、その間の支払いを別で契約します。

つなぎ融資は無担保になってしまうため、借入期間が長くて半年程度と短いものの、利率が高くなるという欠点があります。

また、通常は住宅ローンの借り入れとセットになるため、他の銀行で借りた住宅ローンに対してつなぎ融資のみを単体で契約することはできません。

しかしながら、まれにハウスメーカーと契約しておりつなぎ融資単体で契約できるケースもあるようです。

つなぎ融資単体で探す場合は、日本信販、オリコ、ジャックスなどをあたってみるとよいでしょう。


ちなみに、三菱UFJ銀行は一回のみの融資との事でしたが、窓口で相談すれば分割実行が可能な場合があるようです。

その場合、借り手側よりも工務店の審査が入るため、ほぼ大手HMでなければ分割実行は不可能との事でした。

とはいえ記載はないものの出来る、というケースが散見されるようなので、まずは給与受け取り口座のある銀行に相談してみるのが良いでしょう。



② 金利について


銀行は、借り手の属性をランク付けして金利を優遇します。

令和4年12月現在、店頭表示金利は2.475%程度ですが、実際はこれより更に優遇金利という割引が発生します。

例えば優遇金利が2.000%の場合、住宅ローンの金利は0.475%となります。


この属性の設定が銀行によって大きく変わるため、同じ人であっても銀行によって金利が変化する場合があります。

一般論で言えば、仕事を辞めずに働ける人というのがいい属性となります。

例えば、公務員であるとか、勤務先が上場しているとか、国家資格を保有しているとかがそれにあたります。


また、ペアローンや連帯債務者でなくとも、夫婦共働きであれば配偶者の収入を開示することにより好印象を与える可能性はあります。



③ 住宅ローン控除について


住宅ローン控除とは、住宅ローンの残高に応じて所得税と住民税の控除が受けられる制度です。

本来は金利の負担軽減を目的に設けられていますが、近年は稀に見る低金利が続き、いわゆる逆鞘状態です。

なので、借りれるだけ借りるような住宅ローンの組み方をすれば、その分だけ得するという訳です。

最近この流れもあって改悪され、また住宅ローン控除の上限額も年々減ってきており、我々はうまく考える必要があります。


そもそも、年利1%を切るような借金など、住宅ローンの他に存在しません。

日本では借金は悪いことのように言われることが多いですが、10年後に貰える100万円より今すぐ貰える100万円の方がずっと価値があるように、借金というのは決して悪い事ではありません。

教育資金や生活資金などのキャッシュフローを確保しつつ家を建てることができ、低金利で借りれ、更に税金によるキャッシュバックまであるので、これは活用すべきです。


そしてそれをどう考えるべきか?というのは、ペアローンにおいて効いてきます。


例えば、3700万円の住宅ローンを0.425%の金利で組むとします。

住宅ローン控除を受けられる期間は13年ですので、概ね258万円のキャッシュバックがあります。

ここで、ペアローンとして夫婦で住宅ローン控除を受けるとすると、5万円ほど上がり263万円のキャッシュバックがあります。

5万円の差は大きいですが、例えば産休育休で納税義務がなくなる可能性が生じたり、そもそもペアローンを組むのに手数料が生じたりするため、ここの5万円はメリットとならないかも知れません。


このように、どのように組めば最大限恩恵を受けられるか、ということを考えて組まねばなりません。

専門的な計算は難しいですが、銀行の担当者に相談すればざっと計算して提示してくれるので、必ず相談するべきです。



④ 必要書類について


基本的に、銀行は借り手の発言など信用しません。

なので、収入や資格など、しっかりと開示する必要があります。


銀行により違いますが、一般的に必要となる書類などは以下の通りです。

確定申告の有無によりこれより減る場合がありますので、あくまで参考にしてください。


・源泉徴収票

・確定申告書

・運転免許証

・健康保険証

・保有している資格の免許証

・住民票

・住民税課税証明書

・住民税納税証明書

・納税証明書

・固定資産税納税証明書

・登録印


私も何度も役所を往復しましたし、税務署までも赴きました。

印鑑登録も忘れがちなので、家を建てると決めたら早めに登録することをお勧めします。



このように、住宅ローンは住宅設計と同じくらいの悩ませます。

早め早めに行動するようにしましょう。

これは、私の後悔ですが。