いま、お笑い界でジリジリと増殖している一大勢力(?)がある。それは、コメに関する名前の芸人=「コメ芸人」だ。笑い飯や、事務所は違えどツーライスなど、これまでにも確かにコメ芸人はいた。しかし、さらに今、“若手コメ芸人”が増えているのだ。

 お笑い界の最大勢力・吉本興業だけでも、「ライス」「昼メシくん」「たきたて」「おにぎり」……。みんなどれだけコメが好きなんだ!? 4組にそれぞれ結成時期や名前の由来などを聞いた。

 「結成時期は2003年4月で、お米のように常に皆様の主食でありたいという気持ちから」と話すのは、「ライス」。

 その翌年(04年)4月にデビューした「昼メシくん」の場合は……。

「戦争を経験していない子どもたちが給食を残す光景が目にあまり、給食等の昼飯を残すともったいない、全部食べてほしいという願いを込めてこの名前をつけました」

 意外にも真面目なメッセージ!! 給食くんでも良かった気がしないでもないが。同じく04年、昼メシくんより半年遅れで結成した「たきたて」は言う。

「日本人が間違いなくいちばん好きな食べ物、それは『白いご飯』。それをいちばん美味しく食べるには『たきたて』が最高ということで、この名前にしました。とにかく日本人に好かれたいのです」

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おにぎり(左)とたきたて(右) 最後の一文から、切迫した思いが伝わってくる。そして締めは、お笑いコンビ「ニューロマンス」のツッコミ担当「おにぎり」。

「もっと日本の方々に『お米』のことを知っていただきたくて、おにぎりと名乗らせていただいております。ちなみに名字は『片桐』です」

 なるほど! 微妙にひっかけてるわけですね。というわけで、4組のコメに対する熱い思いがひしひしと伝わり……無性に腹が減ってきた。さて、そんなコメ芸人の皆さんに、コメ芸人がやたら増えている現状をどう思うか聞いてみると……。

「嬉しい、と同時に恐怖を感じますね。本当のお米は一粒でいい。世間もきっとそう思っていますから」(ライス・田所)

「まったく問題ありません。なぜって? 僕らの農家顔を見ればわかるでしょう」(ライス・関町)

「農業は、国を支える最も大事な産業であると思います。どんどん増えて、食卓に明るい笑顔が戻ってくることを願います」(昼メシくん)

「この質問に関してはノーコメントでお願いします。なぜかと言うと……(以下、コメに対する熱い思いが延々と続く)」(たきたて・大樹)

「大変うれしく思っております。でもまだまだ『コメ』芸人が不足しております。そういった日本の現状を受け止めていただきたいです。ちなみに名字は『片桐』です」(おにぎり)

 コメ芸人たちの今後の熱くオイシイ活躍に、期待したい!
(田幸和歌子)