<二日酔い>不快な症状の原因は?(その1) 悪玉・アセトアルデヒドは“シロ”

4月27日12時13分配信 毎日新聞


<二日酔い>不快な症状の原因は?(その1) 悪玉・アセトアルデヒドは“シロ”

アルコール分解の流れ

 新年度を迎え、歓迎会などでつい飲みすぎ、二日酔いに悩む人が増える季節だ。二日酔いの不快な症状の原因は何か、なぜ一晩たっても症状が続くのか--。二日酔いの仕組みや翌日に残さないお酒との付き合い方を紹介する。【永山悦子】

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 ◇低血糖、離脱症状など原因 

 深夜を回る飲酒をすると、翌朝起きるのがつらく、食欲もなく、会社に行くのがおっくうになる--。友人と酒をくみ交わすのが好きで、二日酔いとは無縁だった記者も、40代目前になって不快な朝を迎える回数が増えた。「この不愉快な現象の正体を知りたい」と思い、久里浜アルコール症センター(神奈川県横須賀市)の樋口進副院長を訪ねた。

 飲酒で体内にとり込まれたアルコールは胃や小腸から吸収され、肝臓に送られる。肝臓でアセトアルデヒドという物質に分解され、さらに酢酸へ分解される。酢酸は最終的に水と二酸化炭素になり、体外へ排出される。

 肝臓で分解しきれなかったアルコール、アセトアルデヒドは全身を巡り、脳をまひさせて、酔いの症状を引き起こす。中でも、アセトアルデヒドは顔を赤くしたり、吐き気や頭痛を起こす「悪役」と考えられている。

 このため、二日酔いは、分解しきれなかったアセトアルデヒドが翌朝まで残っているためと考えられてきた。 だが、樋口副院長は「私たちの実験では、アセトアルデヒドを分解する酵素の働きが悪い人も、翌朝までアセトアルデヒドが高濃度で残るわけではない、という結果が出た」と話す。

 飲酒後のアセトアルデヒドの血中濃度を調べたところ、アセトアルデヒドを分解する酵素の働きが悪い人も、正常な人と同様、飲酒直後に濃度が上昇し、それから順調に下がり始めた。また、約4時間後の両者の濃度に大きな差はなく、「アセトアルデヒドが二日酔いの原因とは考えにくい」と分析する。

 実際、酒を飲んだ翌日のアセトアルデヒド濃度が高いというデータはなく、海外の文献でも、二日酔いの原因は「別にある」との指摘が多いという。(その2に続く)

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最終更新:4月27日12時14分

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