勿論、不正使用しなければ国境を越えて便利なものでありましょう。
ビットコイン資金洗浄 匿名性の懸念、現実に 本人確認、取引監視など課題
2017年1月30日 22時30分
産経新聞

匿名性が高いビットコインは、追跡が困難とされ、資金洗浄など犯罪に悪用される可能性が以前から指摘されていた。
警視庁が男2人を追送検した資金洗浄事件は、その懸念が初めて具体化した格好だ。各国は仮想通貨の利用を推進する方針で、日本政府も関連業者に対し、取引の監視を義務付けるなどして規制を強化しているが、対策は途上の段階とのこえも聞かれる。
「足が付かないように他人名義の口座を経由させた」。追送検された藤井亮太容疑者らは調べに対し、こう説明したという。捜査関係者によると、藤井容疑者らは不正に得たビットコインであることを隠すため、コインをほかのアカウントに繰り返し移動させたり、正規に得たコインと交ぜるなどして取引をたどりにくくしていた。
ビットコインの取引記録は公開されることが一般的だが、取引所の外で行われる送金に関しては誰がそのコインを利用しているかの特定が難しいほか、取引所内の送金でも少額であれば本人確認が不必要であることなどから追跡が難しいとされる。
今回、警視庁の解析で資金洗浄の一端が解明されたが、「悪用は氷山の一角かもしれない」とみる捜査関係者も少なくない。
資金洗浄やテロ資金対策の国際基準を定める金融活動作業部会(FATF)は2015年、取引所に対する規制を盛り込んだ指針を公表した。
同年、国内では、最大手取引所運営会社「MTGOX」社長が業務上横領容疑などで警視庁に逮捕され、日本でも取引所への規制の議論が一気に活発化。ワーキンググループなどが設置され法規制のあり方が検討されてきた。
犯罪収益移転防止法の施行令の改正などで、今春にも利用者の本人確認の強化や不正な取引の監視が、取引所に義務付けられる見通しだ。本人確認については既に取り組み始めている取引所も多く「実際に不正利用を防げた例もある」(業界関係者)という。
とはいえ「法改正で劇的な改善は考えにくい」と捜査幹部。現在も禁制品の売買の決済に使われるなど、犯罪との親和性が高く、完全に透明性が保たれることは難しいとの見方だ。
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター客員研究員の楠正憲さんは「世界各国で利用される通貨だけに、どれだけ対策を取っても国内だけでは限界がある。世界と足並みをそろえ、その都度取り組みを進めていくことが重要だ」と指摘している。
(加藤園子)