【食育授業で話をする柿嶌さん】

【田植えの体験】

【田植機の説明を行う松崎所長】

　全国６万人の全国農協青年組織協議会（ＪＡ全青協）の会長に、上田市上武石の柿嶌洋一さん（41）が５月20日に就任した。

　柿嶌さんは同25日と26日、武石小学校の「食育授業」と「田植え体験」で講師を務め、柿嶌さんの呼びかけでＪＡ信州うえだが初めて授業と田植えに協力し「㈱関東甲信クボタ上田営業所」が最新の「ＧＰＳ田植機」で協力。

　児童は食育から現代農業まで幅広い学びになった。

　柿嶌さんは、武石の水稲・花き農家。

　「エコーズフェス武石」で水稲、大豆、ソバなど受託作業を行い、酒米や大豆栽培で地域産業とのブランドづくり、味噌スイーツなど注目を集め、県組織の会長も務めた。

ＪＡ全青協の会長は、県内から就任するのは56年ぶり、ＪＡ信州うえだからは初。

　全国の会長就任後に初活動になったのが、武石小の授業で５年生の食育授業と田植え体験になった。

　柿嶌さんは「お米師匠」として登場。ユーモアある話で、食べ物の大切さを伝えるため、昔話の映像で食べる物を作らない人々の様子を例に、食べ物が調達できない立場にあることを知ってもらい、「いただきます」を誰に対して言うのかを考えた。

　続いて「おいしいお米」や「おいしい」とは、どのようなものかを考えた。「お米師匠」の問いに、児童からさまざまな回答があった。

それぞれの回答を褒めながら、味の好みに違いがあることを確認して、さらに個性の尊重の大切さを伝え、全員でつくる米を「大きい粒の米」にすることを確認した。

ＪＡ信州うえだの武石地域の理事、橋詰真由美さんも出席してＪＡの役割を説明した。

　田植えは翌日、学校近くの学校田で行い、田植えには２年生も参加。

植える苗のコシヒカリはＪＡ信州うえだが提供した。

ＪＡの関係者や児童の保護者も一緒になり、40人ほどが１列になって15通り（条）分を、昔ながらの手で植える田植えを体験。

その後、ＧＰＳによる自動運転の直進機能がついた８条植えの田植機が登場。

田植機で協力した関東甲信クボタ上田営業所の松崎克也所長は武石小の同窓生で、自らもここで田植えを体験したことを話しながら田植機について説明した。

　運転は「お米師匠」が行い、ＧＰＳの機能が働いている状態では手放し運転を披露。

ＧＰＳ機能が切れている状態では、「お米師匠」がきれいに植える腕前を披露した。

　児童は田植え体験に「楽しい」と喜びながら、田植機による圧倒的なスピードときれいな植え付けを見ることで最新農業技術の学習も行うことができた。

　収穫した米は食べるだけでなく「武光（たけひかり）」という名前をつけて販売を予定している。

「全国農協青年組織協議会（ＪＡ全青協）」の会長に柿嶌洋一さん（41）＝上田市上武石＝が就任！