不妊治療のことを詳しく書くつもりでいましたが、放置しているうちに時間がたちすぎてしまいました。


2010年の7月に初めて大学病院の婦人科を受診し、その後はあらゆる検査を行いました。


子宮卵管造影を行い、卵管は問題ないと言われました。

夫の精液検査も行い、数・動きともに問題ないと言われました。

純粋に私の多のう胞性卵巣が原因だと分かり、その後は排卵誘発のための治療をメインに行いました。


75gOGTTを行い、血糖の上がり下がりは問題ないけど、インスリン抵抗性があると言われまして。グリコランの内服を行いながらクロミッドによる治療。

でもうまく排卵や受精にたどりつかず、冬には自己注射による治療に切り替えました。

ゴナールエフという自己注射で毎日少しずつ卵胞を育て、一定の大きさになったら排卵誘発剤を投与し、タイミングをはかるという治療です。


そしたらなんと、初回で妊娠できたのです!!


自分でも驚きでした。最初からこの治療をしていたら・・・・。もっとはやく妊娠できたかも知れない。

悔やんでも仕方ないけれど、もっと早めに大学病院を受診すればよかったと心から思いました。結婚してから2年間も個人病院で費やしてきた時間がもったいなかったなと。いまさらですけど。


しかし、妊娠できたことに喜んだのもつかの間、他にも問題点がありました。


不妊治療の一環で採血をいろいろ行っていたのですが、抗カルジオリピン抗体の値が異常に高い

と指摘されました。他にもループスアンチコアグラントが陽性だったりと、何かと異常値が目立ちました。医師からは、「この値が高い人は流産の危険性が高い」と言われ。

自分でいろいろ調べたところ「抗リン脂質抗体症候群」(APS)の症状であることが判明。


すぐに内科の専門医に紹介され、いろいろ検査をしたところ、SLE(全身性エリトマトーデス)は否定されました。APSはSLEに続発するケースも多いみたいなのですが、そうではないということで。

血液データ上は思いっきりAPSなんですけど、臨床的に診断をつけるためには、「習慣流産」や「血栓症」「脳梗塞」など、実際に症状としてでていることが必要なんだそうで。流産の既往もなければ、実際血栓症を起こしたこともなかったので、あくまで「APS疑い」ということになりました。


本来APSの治療には抗凝固療法を行いますが、あくまで疑いという段階なので治療をすべきか様子を見るべきか、内科の先生は悩んでいました。しかし、婦人科的には予防的に治療を行うことも必要だろうと判断し、結局バイアスピリンを内服することに。

そして妊娠発覚後、より流産の危険を回避するために、ヘパリン療法も併用することになりました。カプロシン(ヘパリンカルシウム)という皮下注射を一日2回朝晩自己注射するというもの。

しかもヘパリンは半減期が短く、陣痛が始まるまで欠かさず注射し続けなければならないのです。値段も決して安くはなく、40日分で1万円を超えます。

大変だけどそれで無事に出産できるなら頑張ろうと、自分自身に言い聞かせています。


そんなこんなでいくつか心配事もあったのですが、それからかれこれ数カ月経ち、現在妊娠8カ月。

心配していた流産の危機は乗り越え、目に見えた発育遅延もなくむしろ大きめで経過しています。

APSの場合、血栓が突然できて臍帯の血流を遮断してしまうことで赤ちゃんが死んでしまうこともあるので、生まれるまで安心はできないのが現状です。しかし、毎日しっかり内服と注射を行っているので今のところなんとか順調です。胎動がわからなかったときは生きているのかエコーで確認しないうち不安でしたが、現在は胎動で赤ちゃんが元気であることが確認できるので安心出来ています。


妊娠できたことに感謝し、無事生まれてくることを祈りながら毎日を過ごしているところです。