スピリチュアルに傾倒してから、あの人はもう別人のよう。

僕らの元を去る。

あの人のこと知りたくて、僕はスピリチュアルについていろいろ知ろうとしてきた。

小さな宇宙人の本も3冊読んだ。

するとあの人の変化が飲み込めた。

あの人はより高い次元へと、愛の世界へと旅立とうとしているんだ。

これまで抱いてきた愛は、本物じゃない。
執着や嫉妬のない本物の愛に生きる。
魂を現世で解放する。

波動や周波数の合わない世界からの離脱…
嫉妬や執着や怒りや心配が無用の世界へ…

あの人はただ自分の希望を語るだけ。
僕らが何を言っても、それはあなたがそう思うことで、あなたの問題だよね、と突き放される…

僕らはとても傷ついた。
でもそれも、傷ついたあなたたちの問題だ、と言う。

何も言えなくなる。
言えば自分が傷つくだけから。

あの人は僕らが思う、つい最近まであの人もそう思っていた、「人を大切にする」ということをしなくなった。
「人にこだわる」ということをしなくなった。
あれだけ僕らのことが大好きだって言っていたのに…

目の前にいるのは、「かけがえのない僕」ではなくて、「ただ、今、目の前にいる人」になった。

あの人は、ただただ今を生きる、今を楽しもうとしている。
過去や未来に縛られない関係を目指して。
本物の愛に溢れる関係を目指して。

さびしさや悲しみや苦しみや苦しみや怒りを抱く僕らは、もう次元の低い、別の世界の人間だと思っているのだろうか…

あの人は去る。
すべて自分だけのペースで物事を進めていく。
それがあの人の、スピリチュアルに生きる、愛に生きるやり方。

果たして、あの人は本物の愛の世界にたどり着けるのだろうか…
心配だ。
でもあの人は、まだ起こりもしてないことを心配するのはおかしいと言う。

あの人に、そんな世界にたどり着いてほしくない気持ち…
いつか僕らのそばに戻ってきてほしい気持ち…

悲しみと怒り、もっとたくさんの感情の混ざった僕の気持ちは、行き場を失って暴れだしそうだ…

僕は、スピリチュアルが大嫌いになった。
スピリチュアルなんて一人カルトで、強度の依存症だ。
大事なものを失うんだ…
あの人も
僕も
みんなも

だから僕はほどほど子と名乗る。


もしいつか、あの人が僕らのところに戻ってきたら…

微かな希望を込めて、僕の愛を込めて、あの人に僕の大好きな『星の王子さま』を渡した。