子供の頃に

暑い日のアスファルトの向こうに

ユラユラと揺れる虹の

ようなものを見たっけ


走っても走っても

たどり着くことはない

そう気づいたのは

別のカゲロウを知ってから


お腹の膨らんだ

雌のソレを

あいつはユラユラと

私の前に吊るした後に

あっという間に

あたしの口の中に放り込んだ


カゲロウの

一生の夢が

カゲロウの膨らんだお腹の

中のためのものなら


カゲロウ×何倍もの夢を

咀嚼してることになる

咀嚼の果てに

私は何に孵化するだろう


超絶にリアルなあなた

という存在を目の前にして

時空を超えて

私は世界の果てを見る

咀嚼が私に喚び起させたもの

私が私であることの揺るぎなさ