その後、俺は階段の前でリナ起こされた。
 そして、俺は家中見てみたが焼け跡一つなく、まるで火事など起きていなかったかの様だ。
 ――だが、俺達の父さんと母さんは見当たらなかった……。
 近所の人に火事の事を聞いて見るものの、
「単なる見間違いだったのかな」
 などとしか言わない。
 それからも聞いてみたが、「火が消えるのを見た」と言った人は一人もいなかった……。
 そして、近所の人はこの話を「見間違い」として終わらせてしまった。



 ――それから1年間、俺が小学校を卒業するまで近所の人が俺達の生活を養ってくれた。
 そして、これからは俺が中学生になると言う事もあり、「リナと俺で二人暮らしをする」と言う事になった。
「――今までありがとうございました」
 俺は、近所の人に最後のあいさつをした。
「いろいろとありがとうございました!」
 俺に続き、リナもあいさつをした。
 ――俺達は、この機会に自立すると言う事で別の町で過ごす事にしたのだ。
「いやいや、お礼をしたいのはこっちの方だよ。楽しい時間をありがとう」
 俺達は、近所の人の最後のあいさつを聞き、引越し先の町――氷麗町へと向かった。




 ――そして現在、俺達は氷麗町で幸せな二人暮らしを送っている。
「お兄ちゃ~ん、朝ごはん出来たよ~!」
 ご飯はリナが作り(たまに俺も作るが)洗濯物などは俺がやっている。
 俺は、リナの手作りおにぎりを食べながら「この生活がずっと続けばな~」と思った。
 ――そして、その小さな夢は儚く散って行くのであった……。

   ――プロローグ――

 それは、2年前の冬の事だった……。
 


『――おい、あの家燃えてるぞ!』
『――たしかあの家の中には……!』


 そう――。この時から俺達の運命は変わって行った……。


 ここは俺の部屋。俺は妹と小学校の宿題を片付けていた。
「――ねぇ、何か焦げ臭くない?」
 この時は、まだ小4の俺の妹『雪野梨奈』が俺に聞いて来た。
「――たしかに。部屋も暑くなって来ている様な……」
 この時、小6の俺『雪野氷牙』がリナに言った。
 ――ついでに、俺は梨奈の事を『リナ』と呼び、リナは俺の事を『お兄ちゃん』と呼んでいる。
「母さんが何か焦がしたのか……?」
 俺は心配そうに呟いた。
 ――我が家は、父・母・妹・自分の4人家族だ。祖父母は、俺が産まれる前に亡くなってしまった……。
「――でも、焦げてる臭いとかじゃなくて……何か――」
 リナが言いかけた時に、俺はこの臭いの原因が分かった。
 ――そして、気づいた時にはもう体が動いていた。
「リナはここで待ってろ!」
 俺はリナにそう言いながら部屋のドアを思い切り開けた。
 ――その瞬間、熱風が俺を襲った。
(くっ……! やっぱり原因は火事だったのか――!)
 俺は熱風に耐えながら階段を駆け下りた。
(たしか下には父さんと母さんが――!)


 俺が1階に駆け下りたら、そこはもう火の海だった……。
「お兄ちゃんどうしたの――?」
 危険を察したのかリナも1階へ降りてきた。
「えっ……」
 リナはこの光景を見た瞬間に硬直状態になり、体の力が抜けたかの様にその場に座り込んでしまった。
「リナ――! ……くそっ、どうすれば……」
 俺がこの状態に戸惑っていると、急に目の前が真っ白になり、脳内にどこかで聞いた事のある声が響いた。


『この世の未来はお前の力に掛かっている。そして、その力でこの火を消してみろ』


 その言葉が終わると同時に、目の前に景色が戻ってきた。
(――この世の未来? 力?)
 俺はさっきの言葉の意味が理解出来なかった。
(だが、考えている暇は無い――!)
 ――と言いつつも、どうすればいいか考えてしまっていた時、俺は自分の体の異変を感じた。
(――? 何だ……?)
 どう表現していいか分からないが、何か力が体からあふれ出る感じがした。
(――くそぉ~! こうなったらやけくそだ!)
 そして俺は、両手を開き重ねて火の方向に向け、その力を手に込めた。
 そして数秒、本当に力がたまったかは分からないが、たまったと信じ叫んだ。
「フローズン・ブリザーーード!」
 俺は恥と言う感情を捨てて叫んだ。
 ――この技は、俺がいつか使って見たいと思っている物だ。……思い切り厨二発言。
 そして、俺の体からどんどん力が抜けて行った。
 それと同じく、記憶も薄れていった
 最後に言葉が聞こえた様な気がした。
(本当に技が出ているのか――!?)
 ――俺は最後まで、嬉しいような不安の様な気持ちでいた。
 ――最後、俺が気を失う前に何か聞こえた様な気がした。

『これで――の、みら――は……』

・雪野氷牙――学校の中ではいつも冷静に物事をこなす。休日は、主にパソコンをしている。だが、アイスブルーの髪は地毛らしい。


・雪野梨奈――氷牙の妹で、かなりのロリ体質。雪のように白い肌と、水のように青い髪(ツインテール)で甘えてくる姿は誰をも虜にする。


・雪野雪牙――氷牙達の父で、少し頑固そうに見えるが意外と優しい。髪は銀髪。2年前の火事から行方不明に。


・雪野美奈――氷牙達の母で、いつも笑顔を絶やさない(時と場合による)。髪は薄い青。2年前の火事から行方不明に。



・白浪麗音(しらなみ れおん)――氷牙の親友.。髪は茶髪でクールそうに見えるが、性格は明るく氷牙とは正反対。


・無月麗華(むつき れいか)――氷牙の初めての女友達。髪色は黒で、真面目そうに見えるが、少し大人っぽい所も。


・花咲桜(はなさき さくら)――氷牙の(一応)友達。茶髪で女子からすごく人気。男の娘。