どうも、一葉です。なんかめちゃくちゃお久しぶりすぎて、心境的にはどうしてくれようかレベルで挙動不審になりそうな私です。
こんなにも黙々している弊宅にも関わらず、変わらず遊びに来てくださっているお嬢様たち、本当にありがとう!!
さて、本日お届けのお話は発掘品です。少し前からふとした折に思いつくお話を整理する目的でUSBに下書きをカキコしようと開けたら、過去にそういう感じで書き込まれたまま放置されていたお話がいくつかあって、その一つに目を通したらなんか普通にお届けできる内容だったのでお披露目いたします。とはいえ、内容は思いっきり両片想い蓮キョだったのですけども・・・(笑) しかも7年前の日付。
まぁ初心に還る意味を含め、生ぬるいお心でお付き合いくださいませ。ふっ。
■ 熱狂接触 ■
とにかく暑い…しか出てこない真夏の昼間。
過去、グアムでの撮影ではカイン・ヒールに扮していたとはいえ、あれほどまで涼しい顔をしていたくせに、今の敦賀さんはどこからどう見ても熱そうな呼吸を弾ませて日陰のここまで戻ってくると、椅子に腰かけた途端に背中を丸めて私に水を所望した。
「ごめん、最上さん。そこから水を取ってもらえる?」
「はい、もちろんいいですよ!」
そこ、というのは大型バッテリーに繋がれた小型冷蔵庫だ。取ってと言われたから素直にそうした。
紙コップも一緒に手渡したのは、既に2ℓのペットボトルしか残っていなかったからだった。
「どうぞ」
「ありがとう」
今日の敦賀さんはベーシックなタンクトップという出で立ちで肩から腕を晒していた。厚みのある胸板がとにかく立派で、無駄のない筋肉質な上腕が男性らしくてドキドキする。
手渡した2kgのペットボトルを片手で受け取った敦賀さんは、すぐさまキャップを開けると意外にも直接口を付けて何口かを飲み下した。
思わず目を瞠ってしまった。
いつだってノーブルさを失わないゴージャスター俳優であるはずなのに、普段とは違う行動をしたのは役を引き摺っているからだろうか。それともこの暑さのせいで上品さをどこかに忘れて来たとか?あるいはそれすらどうでもいいと思ったのか。
ただやっぱり敦賀さんも男の人なのだ、となぜか改めて実感した。
そして言える。どんなんでも、この人がかっこいいことだけは間違いがないということだけは。
「あ、最上さん」
「はい?」
パイプ椅子に腰を下ろしていた敦賀さんの隣にしゃがみ込み、敦賀さんを見上げた。敦賀さんが微笑を浮かべて私を見ている。
呼ばれて意識を現実に戻していた私は、目を逸らせず敦賀さんの顔をまじまじと眺めて、じわじわと耳が熱くなるのを感じていた。その刹那・・・・。
「はぅわっぅっっ!??」
頭から冷水を浴びせられておかしな悲鳴が飛び出した。
見上げた先にあったのは先ほど敦賀さんが口を付けたペットボトルで、中身が半分に減っていた。
「どう?気持ちいい?」
「な・・・・は???」
「暑いから気持ちいいよね?ね?」
「って・・・っっっ!!何してくれてんですか!!!」
「何って、あんまり暑いから」
「だからって何の断りもなしにいきなり水をかけるなんて・・・いま、自分が何をしたか分かってます?!」
しんじられない、頭のてっぺんからかけられた!!しかも飲みかけのやつをぉぉぉぉ。
どれほどの惨状になったのかを確認しようと立ち上がりかけたとき、それより先にさらにペットボトルを高く掲げた敦賀さんが、残りの水を今度は自分の頭から豪快にぶっかけた。
「はうあっ?!敦賀さん、なにして・・・っ」
「大丈夫。自分がなにをしたのかは判ってるよ。こんな少量の水じゃ5分と経たずに乾くだろうってこともね」
ええ、ええ、確かに!!
確かにこの暑さの下ではそうなるかもですけど。
ですけど、なにそんな無邪気な笑顔を披露目てるんですか。
そもそもいま撮影中ですよ?いくら休憩時間だからっていったって・・・。
「信じられない、子供ですか!!」
「たまにはいいじゃないか、童心にかえるのも。
あ―――――…君の頭、少し冷たくなってる」
「当たり前ですよ、キンキンに冷えたペットボトルの水だったんですよ?それで喉を潤すだけならともかく、頭からかけるなんて」
「ごめんね?でも気持ちよかっただろう?」
「・・・敦賀さん、人の頭を抱えた挙句、そこに頬を乗せないでください」
「あ――――――……冷たくて気持ちいい」
「・・・っっ!!」
爽やかに水を滴らせた鍛えられた筋肉が、まるでペンギンを抱きしめるように優しく私の身体を抱える。
私の頭に片頬を預けているのだろう敦賀さんは、本当に気持ち良さそうに呟いた。
「いいよ、最上さん、このひんやり加減が最高だよ」
「敦賀さんも・・」
「うん?」
「腕が冷えていて気持ちいいです」
「そう?じゃあぎゅ~~~~~~っ」
「むぎゅっ!!それ、はやめてください。それじゃあすぐ暑くなっちゃうじゃないですか」
「・・・・・うん、そうだね」
そう返答したくせに、敦賀さんはクスクスと笑っただけで私のことを抱きしめ続けた。
――――――― 私の嘘つき。もうとっくに熱いくせに。
敦賀さんから掛けられた水なんてもうとっくに蒸発しちゃってる。
敢えてそれを指摘しないのは、この抱擁を喜んでいるから。
本当に、どうしようもない。
「まだまだこの暑さは続くんだろうね」
「そうかもですね。ところで、敦賀さん」
「うん?」
「お水、もう一本持ってきましょうか?」
「いや、もういいよ」
私の顔を覗き込んだ敦賀さんは、そう言いながら無邪気に微笑んだ。
じりじりと肌を焦がす強斜光が敦賀さんの腕で止まり、彼の影が私を守っている。
椅子に腰かけたままの敦賀さんは、お行儀の良い大型犬よろしく隣にいる私をまるで太陽光から守ろうとでもするかのように抱きしめ続けた。
「・・・暑っ・・・」
でもそうね。
同じ暑さを味わうなら敦賀さんの熱がいい。
社さんが敦賀さんを呼びに来る頃には
水も滴るいい男はもうカラッカラに乾いていた。
E N D
素でイチャる蓮くんと、それを甘んじて受け止めるキョコちゃん。すぐフォーカスされそう。
…フォーカスっていま言わないか?
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