もう随分前のことのように感じてしまうところが、
コワイと思うのですが・・・

安保法案が通ったあの国会中継を、私は2日間、
出来る限りTVの前に座って見続けていました。

数の原理で今回の法案が通ることはわかっていても、
どういう流れで決まって行くのか、だれがどんな発言をしていたのか、
よく見て、記憶しておくべきだ、と強く思ったからです。

それと同時に、イメージコンサルティングを仕事としている者としては
仕事上、欠かせない重要なチェックの場でもありました。

それにしても、スタイリストやカラーコーディネーターなどを
つける政治家の方も随分と増えられたようです。
ポケットチーフを挿して国会にでられる方が増えました。

でも、政治家にとって重要なのは「おしゃれ」ではなくて「みだしなみ」。
必要なのは「派手さ」でなくて「品性
です。

ただ目立てばいい、そんなものでは決してないことに、
どれだけの議員さんが気づいておられるのでしょうか。
国会議員は国を代表する存在であり、海外からも常に見られているお立場です。


あの法案が通るかどうか国民が固唾をのんで見守り、
国会の外では雨の中、反対の声をあげるデモが12万人にとも言われるような状況下で、
何人かの議員さんは、カラーチーフをしかもパフスリーブで挿していたのです。
驚きました。
中には、紫のネクタイにレインボーカラーのチーフを挿していた方もいたのです。

なんどとなく、私はTV画面の前で一人、吠えていました。

こういうときは、挿すとしても白いチーフをTVフォールドで、
もしくは、ノーチーフ
です。

きっと、その方はどなたかにカラー診断をしてもらって、
「お顔が映えますから〇色のチーフをしてくださいね」と
に言われた経験があおりだったのでしょう。
その指示に素直に従って挿しこられただけかもしれません。

でも、あれでは、TPOに合わせて自分の装いをコントロールできない、
自分が真に伝えたい事を伝えるために、どう見られる必要があるのかを考えられない、
そんなことを露呈しているようなものです。


変に悪目立ちする装いはNG。
アピールすべきは、真剣さ、誠実さ、信頼、重厚さ、です。
削ぎ落した装いだからこそ、伝わる「主張」というものがあるのです。

「自衛隊派遣は、その時々の政府が適宜判断し、最善のかたちで・・・」
との答弁を聞き乍ら、
「”適宜判断”が本当にできるのだろうか・・・」そう思わざるを得ませんでした。


その方のお立場やその時々の状況に合わせて、
最善のビジュアルブランディングを提案するのが、我々の仕事です。