初春のお慶びを申し上げます。

今年もありがたいことに、書道家の前田遥水先生に「羊」という字を
一凛堂のために、特別に書いていただきました。
なんと贅沢なことでしょうか。今年で4年目となります。

実は今年、面白いエピソードがございます。
遥水先生は、「ひつじ」から連想するやさしいのほほんとしたイメージが
どうしても私とリンクしなかったようで、筆が進まず、相当苦しまれたのだそうです。
そ、そ、そうでしょうね・・・(笑)

そんな折、ドイツに赴任しておられる遥水先生のご主人から
遥水先生に一通のメールが届いたのだとか。

「『羊』という字は、ひつじの頭部を描いた字で、ツノの特色をよく表している。
羊肉は古代から最も大切な栄養食であったので「羊+食」を合わせて『養』という
字ができた。『羊』(ヨウ)ー『養』(ヨウ)は、発音までひとしい同系語である。
また、ひつじの姿は、やさしく堂々としているので「羊+大(りっぱ)」を
合わせて『美』という字が出来たのである」

と、そこには書かれていたそうです。


そこで遥水先生は「ひつじ」のイメージにとらわれるのをやめ、
まずは書体の美しさをとことん追求することに集中して
書いてださったそうです。

そして、
「一画目の点は麻由美さんの中に宿る熱い想い(魂)を、そして、過去からの
貴重な遺産(戦時下の恋文に取り組んでいること等)をしっかり受け止めて
動かれていることを二画目から続く横画で。
そして縦画でシューッと軽やかに未来へ伝えようとしている姿勢を。
最後に、大きな右払いは過去へのリスペリクトを表現しています」
とのコメントが添えられ、私のところにこの書が届いたのでした。

本当にありがたく、ただただ感謝でございます。

この書を、年賀状にてご縁を頂いております方には送らさせていただきました。
お愉しみいただけましたら幸いです。


今年は私自身、広げることよりも、ただひたすらに、内なる世界を掘り下げ、
これまで積み重ねてきたことを、見える「かたち」にすることに集中したいと
存じております。
そして、夢を「かたち」にするために一緒に動いてくれる一凛堂スタッフも
増えそうです。
本年も何卒、よろしくお願い申し上げます。

前田遥水先生HP・・・http://www.yousui-shodo.jp