天の川、その光の帯は、遠い遠い宇宙の星達
が数えきれないほど集まって形成され、その
美しさから様々な伝説や物語が生まれました。

そう、それが七夕伝説です。
誰もが知る織姫と彦星という二人の恋人が、
天の川によって引き離され、年に一度だけ
神様に会うことを許された日です。

この物語は、日本だけでなく東アジアの多く
の国々で語り継がれていて、
中国では「七夕節(チーシージエ)」
日本では「七夕(たなばた)」
韓国では「칠석(チルソク)」
という名前で知られ、その国々でそれぞれの
織姫と彦星が見事に再会を果たしたことを祝う
風習や祭事が行われます。



私にとっても、七夕は特別な日です。
今でこそタイに住んでいますが、日本で
生まれ育った私は、幼い頃から短冊に願い事
を書いて笹の葉に飾ることが楽しみでした。 

小さな私を抱き上げながら、大きく手を伸ばし
少しでも高いところへと短冊を結べるように
手伝ってくれたおばあちゃんが
「今日は願い事が叶う日なんだよ」と教えて
くれました。


大人になって現代医学の力を借りて、赤ちゃん
を授かるお手伝いをお仕事とさせてもらって
いる私ですが、天の川の伝説は、今ここにいる
お母さん(お客様)と、いつか未来に出会える
赤ちゃん、その二人が重なって見えてしかた
ないのです。



今はその二人が遠く離れていても、強い絆と
信念があれば再会できるという強い希望、
それこそが本当の天の川の物語ではないかと。

毎日の仕事や家事に追われ、疲れや不安を抱え
ながら頑張っている。それでも希望を持ち続け
タイにやってきた、そんな現実の自分と、まだ
宇宙という遠い星にいるけれど、いつかきっと
出会える赤ちゃん。

天の川の伝説は、
そんな愛ある二人の物語なのかもしれません。


大人になり多くの女性達が短冊に書く願い事。
その中には、そばにいて抱きしめたい存在に
早く出会いたい。自分より大切だと思える
そんな奇跡に早く出会いたい。



そんな強い願いが、文字になって笹の葉に
結ばれて、風に揺られていることでしょう。


タイの丸い空気にふわりと浮かぶ星々を見上げ
ながら、私がその短冊を、一人でも多くの女性
に届けられるお手伝いをしたいなぁと願わず
にはいられませんでした。



そんなことをぼんやり考えてしまったのは、
七夕の伝説の世界に、命という天の川に、
その向こうにまで遠く遠く広がっていく宇宙に
魅せられたからかもしれません。


タイ🇹🇭の空をみあげながら