( ON ) 「 愛する人 」
「 にの 帰ろ .. 」
ふわり笑う愛しい人
いつも寝癖だらけの頭
優しい微笑み
丸まった猫背
「 おーの 愛してる 」
小さく呟いた
いつもの帰り道
彼は絶対砂浜を 通りたがる
隣には なにも考えてなさそうな
彼の姿
今日も背中が丸まっている
「 ていや っ !!! 」
彼の腰に 思い切りチョップ
「 いてえよ にの 〜 」
彼はいつものように笑う
ほんと大好きですよ
おじさんのこと
「 おっさん 」
「 え 、まだそんな歳じゃないもん ! 」
ぷく っと膨らました頬
ほんと どちらが受けなんだか
「 にの 、キス しねぇか ..... ? 」
海を見つめ彼は言う
「 頭大丈夫です ? 」
「 おう 、全然健康よう 」
なんすか
そのキャラは .....
「 ほれ 座れ 」
砂浜に座り 彼は僕の手を握った
「 にのちゃん 」
「 なんです ? 」
「 ちゅぅ しよ 「 しつこいです 」
近付いてくる彼の顔を抑えて僕は笑う
そして 額にキスが落ちた
「 なんで .. 、でこ 」
「 させてくれないからだろ 」
「 あのねぇ 、僕は ...... 」
不意に重なった彼の唇は
冷たくて でも柔らかくて
しかも 唇が離れた後 しちゃった
とか言うから最悪だ
「 ロマンチックの 欠片もない 」
「 何 、ロマンチックがいいの ?
お家がいい ? 」
" 海のが いいっしょ "
彼は 少しはしゃいだ声で言った
自由人
波の音を聞きながら
身を寄せ合う
「 帰る ? 」
「 肉まん 買ってください 」
冷たい手を握り また
歩き出した
「 ねぇ 、買ってあげるからさ
抱きしめてもいい ? 」
照れ笑いで言う彼に
当たり前でしょ ってまた笑う
「 ちゅぅも いい ? 」
「 もう 勝手にしてください 笑 」
名前を呼ばれて 重なって
彼は俺を包み込む
小さい小さい彼が
僕を離さない
「 よし 肉まん買いに行こ 」
でも なんだか足りないから
彼の裾を掴んだりしちゃって 、
また同じことの繰り返しだ
「 ほんと 愛しい 、 」
耳元で 彼の独り言
彼も同じ気持ち
「 大好きですよ おじさん 」
僕も真似をして 独り言を呟いた
今日も 彼を愛してる
end .
ご感想お待ちしております
では またの機会で 。