妄想小説『彼女、嫉妬します。』
ーーーーー今から12年前の2004年。
「一ノ瀬千鶴」8歳(小学校2年生)の頃。千鶴はいわゆる“いじめ”の被害者だった。それは、千鶴本人の行動が原因ではなく、周囲の女子たちの“嫉妬”によるものだった。
このころから千鶴は間違いなく男子達からモテていた。持ち前のルックスに加えて、誰に対しても優しく、よく笑う。そんな千鶴に周りの男子達はゾッコンだった。
8歳にして、
誰が将来千鶴を幸せにするのか
ーそんなことで争っていた程だ。
当の本人はもちろん知るわけもなく
ーーー今に至るのだが、そんな千鶴に対して周りの女子は快く思っていなかった。
「どうせ、男タラシじゃん。」
「そうやって、男堕として何が楽しいの?」
なんて皮肉ともとれる言葉を千鶴に聞こえるくらいの声量で
ーーーー初めはこのようなよくある嫉妬だった。しかし、“嫉妬”が日に日にエスカレートしていき終いには
「私たちの前に現れないで」
なんて書かれた紙を下駄箱の中に入れられたり、
“空気”扱いを受けたりーーーーー。
とても8歳の少女が耐えることが無理ないじめになっていた。
「なんで、いじめられないといけないの?」
日々自問自答する。そんな千鶴にはこれまでの“楽しかった学校”なんてどこにもなかった。8歳の千鶴は落ちるだけだった。
すると、これまで何とも思わなかった光景に
「羨ましい」
「ずるい」
といった感情を抱くようになってしまっていた。この頃の千鶴にはこの感情が何なのか、後に自分を苦しめるとは知るよしもないのだが、分かっていたのはこの感情は自分の心を黒くする。つらい気持ちになる。ということだけだった。
そして過激ないじめに耐えながら自問自答すること4年。千鶴が中学生になる頃、一つの答えに辿り着いていた。
『完璧であり続けること。』
『誰も手が出せないくらい高嶺の花になること』
そうすれば、自分はいじめられなくて済むと。
実際これは正解に近かった。これまでいじめてきた人達との関係がなくなり、いじめは無くなった。そして男子達も千鶴に対して“恋愛感情”を抱くことはなくなり、“憧れ”に近い存在へと変わっていった。
もちろん変わったのは千鶴の周りだけではなく、千鶴本人も大きく変わった。完璧になろうとするあまり、他人に対しての関心が高くなり、8歳の頃に芽生えた黒い感情に襲われることが増えた。また千鶴は友達は増えたものの1人に近かった。それこそ、“一ノ瀬千鶴”を完璧な自分で覆い、守っている。そのためいつも自分は1人だと感じていた。
「A君とBちゃんって付き合ってるらしいよ」
「Cちゃんは海外に旅行に行ったんだって」
こんな話を聞いた時は自分でもびっくりするくらい相手が憎くなった。自分にはないもの、できないことが相手ができる時ものすごく黒い感情が出てきた。もちろんこの黒い感情が何なのかは自分では理解できている。
“嫉妬”
皮肉にも嫉妬によっていじめられていた千鶴が嫉妬に支配されるようになった。
ーーーーー月日は流れ2017年。
千鶴が大学生の頃。千鶴の環境は大きく変わっていた。大好きだったおじいちゃんが事故で亡くなり、高校の友達とも離れている大学に進学した。
また、大好きなおばあちゃんの影響で女優を目指すようになり、“レンカノ”も始めていた。
『水原千鶴』
これはレンカノの時に使っているミドルネーム。
レンカノをやっている時、自分は完璧であることに疲れることはなかった。完璧な彼女を演じれば演じる程、高く評価される。正直嬉しかった。
お金を受け取ったら本当の彼女のように楽しむ。
それでも、簡単だと思っていたレンカノは自分の気持ちに黒い影を落とし続けていた。
正直、虚しくなったり、本当の彼氏と彼女の関係に嫉妬した。
今思い返せば毎日のように泣いていたのかもしれない。あの人と出会うまでは、、、
「一ノ瀬だけは絶対に守る!」
こんなこと言われたのは初めてだった。そして、急に体が軽くなった気がした。
この日を境に黒い感情が出てくることがなくなった。なぜなのかは自分でもよくわからない。だけどなぜかあの人のことばかり頭に浮かんでしまう。
あの人は人間の持つ弱いところを恥ずかしいと思わず、頼れる人だとこのレンカノのサービスを通じて学んだ。そして、作っていない私のことを好きでいてくれるーーーー。
私が求めていたのはこういう人なのかもしれない。
「ありがとう。」
そう小さく呟いた千鶴は仕事へと向かう。
自分を黒い感情から救ってくれたヒーローのもとへ。
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《後書き》
どうも、皆さんはじめましていっちーです。
今回学校が春休みに入り、自分の時間を取ることができたのでブログに挑戦してみました!
正直読みにくかったり、作品もおかしなところがあると思いますが、大目に見てくださると嬉しいです。そして、今回自分の作品に目を通して下さった皆様、本当にありがとうございました。
感想など聞かせてくださると嬉しいです!^_^