冷凍庫から 氷をグラスに入れるとき、
私は何故かひとつだけ取りこぼし 床に転がす。
それは毎回のことで
小さなため息をついて、キッチンのシンクに投げ込む。
床に転がった氷を眺めて 手が止まる
けれど
そこにたいした意味もなく
ざくざくとグラスを埋め
ミネラルウォーターを注ぐ。
汗をかくグラスは ほんのりと水色のグラデーションがかかっている
私は 相変わらずひとり で、
グラスを満たすミネラルウォーターを灰皿の横に並べている。
てのひらから落ちた氷は
シンクの中で ゆっくりと融けてゆく。