桜の花びらが舞う、晴れた日の朝、私は出会ってしまった。

 

私の名前は春風紗良。この春、高校に入学した16歳。

 

入学式の日、あきれるほど退屈な話を寝ぼけ眼で聞いていると、

突然電気が流れるような、衝撃的な出会いが。

 

「今日からこの学校に赴任してきました、田所健太です。」

 

落ち着いた、それでいてはっきりと張りのある声に思わず聞き惚れて、

私は先生をじっと見つめた。

先生はニコニコと爽やかな笑顔で挨拶をしている。

 

運命の人?

 

そんな風に思ってしまうほど、その時の私は先生に惹かれていた。

この人しかいない、そう思って先生を見つめ続けた。