地獄の餅つき

■　The餅つき

　　
　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　
　　
愛娘レイナの通う保育所で餅つき大会があった。

臼と杵を使って餅をつくなど随分と久しぶりじゃ。

園児だけでは餅をつけるはずもなく、主力はお父さん方となる。

しかし、餅つき大会があったのは平日の朝。

参加できるお父さんは当然少ない。

それでも８人の精鋭が集まった。

はじめこそへっぴり腰ではあるが、ついているうちにコツが分かってくる。

レイナにいいところを見せようと、おっさんの手にも力が入るというもんじゃ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

一心不乱にペッタンペッタン！

さて、できました。

１臼つくのもけっこう疲れるね。

まあいい運動になったわい。

そこで、保育所の先生から声がかかる。

さあ頑張って！全部で３０回ついてもらいますからね～！

へ？

３０？

１回ついただけでへばってんのに？

そこからが地獄。

８人が交代しながら３０臼ついたわけです。

握力０、上腕パンパン、腰も痛い。

両手の震えが止まらない。
ああ、ヨボヨボのおじいさんのようじゃ。

お父さん８人が一気に老けた。

ただ、杵でついた餅は格別じゃね。

粘りが違うしキメが細かい。

ぶちうまい！！

頑張ったかいがあったのう。

その日の午後からは普段どおり仕事をしたが、似顔絵を描く手がバイブレーション状態

であったことは言うまでもない。

いつもよりシュールな絵が描けたかもね。

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