児童心理 5月号 支え合う学級づくり | 「気づき」と「人間力」の教育 一尾塾

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児童心理 5月号 支え合う学級づくり

学級づくりといえば、AKS48ということで、赤坂先生。

現在の学級の状態を、「島国化」「待合室化」といつもながらのなるほどなぁのたとえ。

さて、ここで問題!ということで、チーム化するための具体策のなかで問題がでていた。

「地上最大の肉食獣である野生のシロクマは獲物を一撃で捕まえることができます。しかし、ペンギンは捕まえることができません。なぜでしょうか。」

という問題。これをクラス全員が正解する、という条件で出題し、その後の関わり合いのなかでチーム化へ向かっていく。

学級というチームだからこその価値を伝えていく。

なるほど。いつもながら具体的かつ論理的かつ人に対する深い信頼感!

もうすぐクラス会議の本も出るということだし、楽しみ。


あと気になったところ3つ

1・構成的グループエンカウンターとマズローの欲求段階説をミックスした図

構成的グループエンカウンターで、クラスの状況ごとに最適であろうエクササイズを例示してあった。確かに安全の欲求が満たされていないなかで、‘忘れられない経験’をやっても、難しさを感じるように思う。とても納得の例示。

2・ピア・メディエーション

これまた初めてであった言葉。メディエーションとは、仲裁、調停を意味する。
これを行うなかでの実態調査のところでアンケートを取ったとのことで、その内容が興味深かった。

次の6つの場面でどうするか?
1・鬼ごっことドッジボール、どちらで遊ぶかでもめているとき
2・筆箱を落としたのに、「わざとじゃない」と謝らないでもめているとき
3・昼休み、だれがボールを片づけるかで言いあいをしているとき
4・悪口を言った、言わないでもめているとき
5・帰ってからどちらが○○さんと遊ぶかでトラブルがあったとき
6・殴り合い(掴み合い)のけんかをしているとき

で、3択 間に入ってとめる・一応声はかける・何もしない

結果は、7割の子どもが目の前でトラブルが起こっていても止めない、という結果。

たしかによくあるようなことだけれど、まぁなにもなければ、そのままスルーすることが多いのだろうなぁと。問題が起こった時に、そこから何かを教えたり、学ぶというのは難しい。
平穏なときに話し合っておくことの大切さを感じる。

ピア・メディエーションでは、この現状把握の次に、傾聴スキルトレーニング(すてきな聞き方、すてきな頼み方、すてきな断り方)をしてから、ピア・メディエーションに進む。

たしかに問題が起こったときの対応の仕方を伝えておくのはありだなぁと思った。その場でどういか考えろって言われても、子どもも難しいだろうし、大人も冷静になれなくて難しいと思うから。

・足を引っ張りたい心~嫉妬、この厄介なもの

岸田秀氏が書いたもの。

なぜ人間だけが嫉妬の感情を持つか。それは本能が壊れた動物だからである。

自我は幻想であって、それ自体のうちに現実的根拠がないから、本質的に不確実、不安定である。

本能が壊れた動物・・・ そうきたかぁと。