社会人になって、最初の賞与で買った車です。



HONDA CITY


もちろん中古車でしたか、年式から考えられないほど外装の程度がよく、走行距離も3,000km と、奇跡の一台でした。
なんでも、奥さんがお買い物用に購入したものの、ほとんど走らせることなく屋根付きの車庫にしまいこんであった車だ、ということです。

オートマではなく4速のミッション車で、パワステ、パワーウインドウなど、当然ついていませんでしたが、面白い車でして、よく遠出したものです。

当時のHONDA車にありがちだったのが、電気系統が弱くて、雨の日などには走らせていると、突然エンジンが止まるので、あ、と思ったらクラッチを切ってセルを回してエンジンをかけ直したりしながら走っていました。

今じゃ、こんな車、危なっかしくて乗れたもんじゃありませんが、当時は「そんなもんだろう」と思っていました。

1,200cc程しかなかったので、街乗りでは不自由しませんでしたが、美ヶ原高原や那須などの高地では、アクセルを床まで踏んでも30kmしかスピードがでなく、低排気量の悲哀を味わったりもしました。

それでも、五人で横浜の中華街に行ったり、鎌倉に行ったり、無謀にも富士山の五合目まで行ったりしていました。

音楽は、昔懐かしカセットテープでしたが、ホイットニー・ヒューストンなどをかけながら、毎日運転していました。

乗り心地やエンジン音など気にすることもなく遊べていたのは「若さ」だったのだろうなぁ、と思います。

年月は過ぎ、今の車の選択条件は「腰に優しいか」「エンジン音は静かか」だけです。

運転していても面白い、ということは無くなってしまいました。
車に乗り込むのも週に1度程度で、駐車場の地面の重石になっています。

今、当時の車に乗ったら、どんな感想になるのか、少々気になります。