平成27年9月25日(金)、書籍「最貧困女子」(鈴木大介著・幻冬舎新書・780円)を読んだ。なかなか理解しがたい現代社会の暗部にスポットを当てた興味深い作品で、あまりの衝撃で、トラウマになりそうだった。
本書によれば、働くシングル女性の中の3分の2が年収114万未満で、中でも、10代から20代までの女性を「貧困女子」とネーミングしている。そして、さらにその下に直視できないような借金地獄等で、もがき苦しんでいる女性がいるという。
彼女たちは、家族の縁、地域の縁、制度の縁の3つの大きな縁を断ち切られ、セックスワーク(売春や性風俗)で日銭を稼ぐしかすべがない「最貧困女子」と呼ばれるグループで、過去に、親から虐待を受けたり、性被害を受けたり、イジメを受けたりした女性達だ。
その結果、彼女たちは、不登校となり、まともな教育も施されず、家出するなどして、ネットカフェ難民やホームレスとなり、路上生活をしたり、ファミレスなどで夜を明かし、アルバイトを転々としているというのである。
しかし、彼女たちは、多くの人から「自己責任だ」とか、「自業自得だ」とか、根拠のない差別や糾弾を受け、ますます、社会から孤立を深めていく。また、児童相談所や児童福祉施設は、画一的な対応しかせずに、これら女子たちの駆け込み寺には、なっていない。
体中に煙草(たばこ)の火を押しつけられた、いわゆる「根性焼き」の傷跡を持つ16歳の少女は、初めての売春が小学5年生。彼女は、「身体が売れなくなったときが死ぬときだ」と神妙な面持ちで淡々と自分の将来を語る。
また、幼児2人を抱えるシングルマザーは、体型が小太りで、容姿が良くないと言われ、風俗店の面接を次々と落ち、仕方なく携帯の「出会い系サイト」などに書き込みをして、一晩5000円で売春をしたりして、命をつなぎ、幼(おさな)児(ご)を育てている。
さらに、知的障害者の姉を持つ少女は、同じく知的障害を持つ母親から虐待を受けて、家出をして、二人で売春を続ける。知的障害者ゆえに、店舗型の風俗店などには、相手にもされず、二人で助け合ってデリヘル(無店舗型ヘルス)などをして生きていくしかない。
同書は、「平成日本の最底辺に初めて光をあてた、衝撃のルポルタージュ」と評され、大変な反響を呼び、売り上げ5万部を突破しているという。我々は、これら「最貧困女子」に目を背(そむ)けることなく、彼女らの抱えた想像を絶する苦しみや痛みを理解しようと努力し、如何にしたら、彼女たちの魂を救えることが出来るかを真剣に考えていく必要がある。
(2015.9.25)
本書によれば、働くシングル女性の中の3分の2が年収114万未満で、中でも、10代から20代までの女性を「貧困女子」とネーミングしている。そして、さらにその下に直視できないような借金地獄等で、もがき苦しんでいる女性がいるという。
彼女たちは、家族の縁、地域の縁、制度の縁の3つの大きな縁を断ち切られ、セックスワーク(売春や性風俗)で日銭を稼ぐしかすべがない「最貧困女子」と呼ばれるグループで、過去に、親から虐待を受けたり、性被害を受けたり、イジメを受けたりした女性達だ。
その結果、彼女たちは、不登校となり、まともな教育も施されず、家出するなどして、ネットカフェ難民やホームレスとなり、路上生活をしたり、ファミレスなどで夜を明かし、アルバイトを転々としているというのである。
しかし、彼女たちは、多くの人から「自己責任だ」とか、「自業自得だ」とか、根拠のない差別や糾弾を受け、ますます、社会から孤立を深めていく。また、児童相談所や児童福祉施設は、画一的な対応しかせずに、これら女子たちの駆け込み寺には、なっていない。
体中に煙草(たばこ)の火を押しつけられた、いわゆる「根性焼き」の傷跡を持つ16歳の少女は、初めての売春が小学5年生。彼女は、「身体が売れなくなったときが死ぬときだ」と神妙な面持ちで淡々と自分の将来を語る。
また、幼児2人を抱えるシングルマザーは、体型が小太りで、容姿が良くないと言われ、風俗店の面接を次々と落ち、仕方なく携帯の「出会い系サイト」などに書き込みをして、一晩5000円で売春をしたりして、命をつなぎ、幼(おさな)児(ご)を育てている。
さらに、知的障害者の姉を持つ少女は、同じく知的障害を持つ母親から虐待を受けて、家出をして、二人で売春を続ける。知的障害者ゆえに、店舗型の風俗店などには、相手にもされず、二人で助け合ってデリヘル(無店舗型ヘルス)などをして生きていくしかない。
同書は、「平成日本の最底辺に初めて光をあてた、衝撃のルポルタージュ」と評され、大変な反響を呼び、売り上げ5万部を突破しているという。我々は、これら「最貧困女子」に目を背(そむ)けることなく、彼女らの抱えた想像を絶する苦しみや痛みを理解しようと努力し、如何にしたら、彼女たちの魂を救えることが出来るかを真剣に考えていく必要がある。
(2015.9.25)
