周りを見渡せばみんな小さな画面を覗き込んでいる。
そんな人々を見ながらつまんねぇな、と心の中で呟いた。
座り込むと、私もそのつまんねぇ奴らの一人になる。
揺れるバスの中、イヤホンから流れる音楽を聴きながら中身のないSNSを眺める。
窓の外へ目を向けることは、ここ数年でめっきり減った。
だから変化に気が付かない。
知らぬ間に、何かが少しずつ変わっていく。
街も生きているのね。
そして私も生きている。
でも、変わっていくことはいい事とは限らないと思うの。
それは、変われない私の僻みでしかない。
子供で居られなくなったのに、大人になりきれない中途半端な私の。
だから画面の中へ逃げる。
周りなんて見なくて済むように。
だって私はまだ、染まりたくない。
あと数年でそうも言って居られなくなると知りながら、地上から足を浮かせる。
138.4mmの機械を片手に日々を過ごす私たち。
これは人生を成功や地獄、時には精神科に導く。
でも、私たちはこれを手放そうとはしない。
大多数は手放せないの 。
囚われているんだ、きっと。
ああ、私たち、いつからこんなふうになったのかしら。
つまらなくなったのかしら。
そう、人生をつまらなくしているのは、自分自身だね。
私は、酷い雨の中傘もささずに、馬鹿みたいと笑いながら、ずぶ濡れになって駆け抜けたい。
肌寒いこの時期に、スカートをたくし上げ、誰もいない海に入って、海水の冷たさを肌で感じたい。
でも、一人じゃ意味ないの。
誰かが側にいて欲しい。
その誰かがアナタだったら、私はその時だけ誰よりも輝く。
つまらないと投げ出していた日々を、拾い上げることが出来る。
日常の中の非日常はロマンだよ。
だから私と、138.4mmの呪縛から逃れよう。