10月10までミッドタウンのサントリー美術館で開催されている「あこがれのヴェネチアン・ガラス 」展を訪問。
私も含めベニスを訪れたことのある日本人は決して少なくない昨今、なんだか違和感のあるセンスのない展示会名をポスターなどで見るにつけ、なんだか行きたくなかった。
なので、個人的に(あこげれの)と、カッコ書きにしたい感じなのだ。(←ひねくれ者)
私は美術品の中でも、現代ガラスアートを鑑賞するのが一番好きなのだが、なかなかいい展示をやっていないので、ガラスアートの展示会には必ず出かけて、ほんの1点でもお気に入りが見つかればいいと、けなげに(←自分で言うな!)そう思っているのに、である。
現代ガラスアートは大好きだが、ゴテゴテしていたり弱々しいガラスアートはあまり好まない。
したがって、何かとマイナスポイントの多いこの展覧会はパスするつもりだったのだが、知らないうちに前売り券を買っていたらしく、(行きたい展覧会のチケットをまとめ買いする習慣があるので)もったいないので、ぎりぎりのタイミングで出かけたのだ。
例によって金曜日夜。到着したのは18:45ごろ。
意外に混雑していて、中高年も多い。
でも、皆さんマナーがいいのでストレスはない。
いつものとおり、ここはガラスと照明がすばらしいので見ていてもストレスがない。皆さんよくおでこをぶつけていらっしゃるが、私も今日初めて鼻の頭が付いてしまった。(笑)お掃除の方すみません。。。。
そして今回は、地震対策の釣り糸みたいなものでの固定が多かった。
これは、いつも関連する展示のときには目玉っぽく展示されているのだが、今回初めて釣り糸でしっかり固定されていた。
むしろ今までは、無防備かと思えるほどルックスにこだわったかのような保護が見えない展示だったのだが、展示ケースなどが免震構造になっているとのことだったので安心して見ていた。
でも、やはり3.11以降は今までの常識は通用しないのだろう。
で、展示物はやはり繊細なベネチアングラスとそれに続く系譜と、和ガラスへの影響など。
期待値が低かったせいか意外に楽しめた。
やはり、美しいものは時代を超えて残りこうして我々の目を楽しませてくれる。
16世紀以降の作品だったのだが、その当時に大変な思いをしてあんなデコラティブな実用性の低いものを作っていた人達と言うのは、技術だけでなく美意識も高かったんだな~と。
そんな中でも、17世紀くらいになってくるとセンスの悪い作品もあって、いくら技巧的にてんこ盛りでもセンスのなさって目立つんだな~と笑えた。
やはり、繊細な美しいモノを見ていると心が穏やかになる。シアワセ。
丸の内3丁目から出てきたベネチアングラスの破片なんてのもあって、土佐藩上屋敷跡だそうだ。
そう言えば、去年毎週見ていた大河ドラマ「龍馬伝」で見た土佐藩は進んだ考え方で貿易もやってたしな~とかそんな楽しみ方も出来た。
最後は現代ガラスアートだったが、ベネチアングラスの技法を受け継いだものにテーマが絞られていたので、私好みの骨太な感じの作品はなかった。。。
ベニスを訪れたときに、普通の街角のショーウィンドにさりげなく飾られているガラスアートがすごく素敵で、風情のある展示会を見ているようでお散歩がとても楽しかったのを覚えている。
なので、そんな作品もあるかと思ったのだが、ま、学芸員さんがしっかりテーマからぶれずに企画したという点では当然だろう。
全体的に、大満足と言うのとは違うが全くがっかりするところのない展覧会だった。
(褒めてるんだけど、文章力なさすぎ)