主観的には感想なのだが、ドラマのストーリーに対する感想とは違って、雑感に過ぎないことを念のためお断りしておく。(←フツーの感想を期待している方はクローズしてくださいませ)


さっき、「それでも、生きてゆく」 第9話をリアルタイム視聴した。

録画したままの向井くんの大河ドラマ(←私の中ではそういう位置付け)を放置したままなのに。(笑)

「アリアドネの弾丸」は、2週分撮り溜めていて昨夜遅くまとめてみたくらいなのに。(←大河よりマシ)

あ、これはますます面白くなっていて最初のころ激しく突っ込んだモーツアルトがやっぱりキーになっていてちょっとウレシカッタ。(グッチのおとぼけモーツアルト発言に全く突っ込むこともなく受け流した宇佐美のことです)

さらに、宇佐美役の福士誠治さん良すぎ!鷲津の次くらいにいいかも。。。どこがどういいかは別記事で書きたいくらい。(笑)

ポスト鷲津(←あくまで個人的な基準)は宇佐美かも・・・とか少し萌えたのも事実。


あ、話が逸れまくったが、今回も見ごたえあった。

でも、なんだろ?また久々に満島ひかりにイラっとした。(笑)最初の頃のイライラが復活したところが何箇所かあった。

演出が誰なのか見てないけど、きっとそのせい?(笑)


それにしても、すごい脚本だ。

もちろん、演技や演出あってこそなんだけど、一体どういうト書きなのか知りたくなるくらい文哉(風間俊介)怖すぎだし、狂気ってこういう事なんだ。。。と、ドラマだと言う事を忘れて素朴に思わせられたり。。。


双葉(満島ひかり)に、「兄と会ったら何話すんですか?」と聞かれた時の瑛太の反応「話せんのかなぁ・・・」もいいよねぇ。。。

唐突に人体模型の話を持ち出して、自分も文哉もそれと同じかもしれない。心が無いのかもしれない。そうしたら話なんかできないと納得?する。


文哉が家族のもとに戻って身勝手そのものな言動をとるのに対しての、家族それぞれの振る舞いがすごく緻密。

文哉のそれに対して真っ当な反応をぶつける双葉が痛々しいと共に、現実から逃げずに文哉へ訴えかける姿やセリフが、彼女が過去の呪縛から抜け出そうとしていることを痛いほど伝えてくれる。

ドラマの初めの頃は、この家族って被害者家族から見たら許せないだろうな~と思うような感じだったけど。


それにしても、犯罪者の勝手な理屈をリアルに主張する風間俊介の演技もすごい。

「命奪ったら、もう償えないんだよ!」と必至で訴える双葉に対する文哉の反応。

「死んだ人はいいよ。死んだ人はそこで終わるからいいけど、殺した方は生きて行かなきゃいけないんだよ。お兄ちゃん、かわいそうなんだよ」と、頭を抱える。


それを見て、その理不尽さやなんかやんかで双葉が涙をためてため息をつくところなんて、ヘタな脚本だとセリフオンパレードで説明してしまいそうなところだが、本当に脚本・演出・演技・美術・カメラすべての結晶でセリフじゃなくても雄弁に被害者家族の心情を表している。


それに、余計な説明が無くてもこのドラマは食事にまつわる色々なことで、家族というものをよく表しているのもすごいと思う。第9話だけではなくずっとそうだったので書ききれないけど、例えば外出できなくなって知人に届けてもらったコンビニ?弁当でも家族揃って食べることにこだわり、出来合いのものですませることに居心地の悪さを感じる母(風吹ジュン)がお味噌汁を作るまでの会話とか、それをちゃんと受け止めてそのことでする家族間の会話とか、不自然な説明は全くなく、しかも一見些細な出来事なのにものすごく深く家族というものを表している。

最初のころ、瑛太が作業の合間にカレーかなんかにソースをドバドバっとかけてかき込んでいた(記憶があいまいだけど)のも見事にその投げやりな日常を表していた。


ソースなんかを出来上がった料理に条件反射的にドバドバかけるのって、まずその人の舌が荒れていることを如実に物語っている。いい素材を選んできちんと調理されたものには、市販のソースなど不要だ。

なんでもソースの味になるのなら、素材や調味料を丁寧に選ぶ必要はない。そんなにお金も時間も愛情も櫃うようなことをわざわざやらない。いや、できないのかもしれない。

逆に、きちんと作られたもの(←あくまで私の私見)でなければソース味の方がマシだから機械的にかけているということもある。


文哉が勝手放題言って家を出て行くまでの家族の反応を見ていると、みんな"逃げていたこと”に対峙しつつあることがはっきりとわかる。


双葉からのメールを受けて、文哉を捕まえに?来た瑛太(←瑛太だと思ってドラマ視聴してしまっているので役名は把握していない・・・)を見るなり逃げ出した文哉ってすっごい俊足で笑えるくらい。追いついた栄太との掴みあいはもう野生動物状態。あんな凄いうめき声になるんだ・・・ヒトって・・・とか思ったくらい。


それにしても、刑事事件の責任能力って・・・改めて考えさせられる。


瑛太が双葉に対して「責任能力がない」ということでの犯罪者の野放しについてどうしようもないやりきれなさを語っていたのを見て思った。

私は刑法・刑事訴訟法をかなりまじめに勉強したので、責任能力がなければ罰することはできないのは仕方ない、なぜなら法律でも責任能力を条件にしている訳だし。。。と、いろんな事件の判決をみて理屈としては納得したりしていた。


でも、刑罰を与えるのは適当ではないかもしれないけれど普通の生活を送るという、犯罪者の人権(←憲法の基本理念ではあるが)の方が重いのはやっぱり変だ。国には監視を厳重にする責任があるはずなんだよな・・・と。

法律や制度を変えるのって、やっぱり国民の自覚だからそういう意味でもこのドラマってすごい。

そんなことを考えさせられるような力のあるドラマだ。


双葉が色々なものを背負って「よっしゃあ!行くぞぉ」と因島に向けて車の運転を始めるところが切なすぎる。

関係ないけど、私の高校のあった政令指定都市の真ん中ではマラソン大会開催は厳しいので、学校行事で因島にフェリーで渡ってから、全校マラソン大会をやったのを思い出した。信号のない平坦な海沿いを走るのは新鮮で楽しかったのを覚えている。


レンタカー乗り捨てって・・・。

瑛太だけではなく、娘を殺された父(小野武彦)も文哉を殺してやりたいと言う。そりゃそうだ。

でも、それを双葉が引き受けようとしている。

最初の頃は、お兄ちゃん大好きで本当に立場がわかっていないような言動が多かった双葉だったけど、すっかり被害者の心にも寄り添っている。でも、それじゃあ切なすぎるよ。


なんか切なくて支離滅裂。

ごめんなさい。。。