NHKドラマ10「下流の宴」見てます・・・
おもしろくなってきた!「下流の宴」4回「カリスマの逆襲」
第5回「裏切られた母」
総合テレビ 2011年6月28日 午後10時から
島田が珠緒を教えると宣言、由美子はショックを受ける。アルバイトの傍ら寝る間も惜しんで勉強に励む珠緒は、日に日に憔悴。その様子を見た翔は、珠緒を勉強に専念させようと2年分の生活費300万円の借金を満津枝に申し込む。満津枝は一計を案じ「2年後、珠緒が受験に失敗したときは、翔が高卒認定試験を受ける」という条件をつけてお金を貸す。可奈が北沢を福原家に連れてきた夜、翔のことを「医大を目指す浪人生」と誤魔化す由美子の言動に、翔は傷つく・・・。で、その由美子だが黒木さんて、なんであんな感じなんだろ?キャンキャン言っている時の芝居がとてもウルサイ。ウルサイというのは目ざわりっていうか過剰っていうか・・・。ま、いいけど。
一方、島田と美波のやり取りはとても面白い。
島田が美波が想定外のアホだったことに茫然としつつも、受験のカリスマとしてのプライドでなんとか前向きに対処する感じとか、受験戦略を語るときのエキサイトしつつもプロとしての冷静な分析を伝えている様子とか、ヒジョーに説得力があるのだ。
そして、それに素直に応えるべく徹底的に受験生として奮闘している美波もなんだか応援したくなるほどの真摯さなのだ。
「いくら受験のカリスマが付いていても医学部なんてそんな簡単には入れない」と、勉強をやめさせようとする翔に、美波が応える。
「できるかできないかわからないけどさぁ、とにかくアタシやってみたいわけよ。最初は、翔ちゃんのお母さんへの意地かなと思ったけど、それだけじゃないってわかってきた。」
「無理することないじゃ~ん。今までさぁ、結構楽しく上手くやってきたんだモン。」と、グダグダ言う翔。
「だけどさぁ、私たちってさぁ、がんばった先って一度も見たことがないじゃん。だったらさぁ、一生に一度でもいいから死ぬほどがんばってあっちのほうへ行ってみてもいいかもしれないじゃん。」と、希望に満ちて応える美波がステキだった。画面も横顔に後光が差す感じで、それに応える翔のどよ~んとした表情と背景への切替えが効果的だ。
なんだか、珠緒のこのセリフってもう**歳だと周りが言う年齢になってから頑張っていた昔の自分を思い出して懐かしくなったりした。もっとも、私はかなりがんばったけど目的が達成できなかった。今、あんな生活をもう一度やれと言われてももう二度とできないくらいはやったけど、限界まで頑張ったとは言い切れない。結果を出していないから。。。そんな経験もあって、なんだか応援してしまうのかもしれない。
「だけどさ~、おそいよぉ~。二十歳すぎてるんだしさぁ」と、あくまでナガティブさにポジティブ(笑)な翔。
「そんなことないよ。今まで私、もう22歳だと思ってたけど、この1カ月くらいで考え方変わった。まだ22歳だってはっきり思えるようになった!もうとまだじゃ、すごいちがうよ。」
「こんなに頑張ってるのも、翔ちゃんのお嫁さんになりたいからだよ。ホントだよ」と、机に向かって勉強に取り掛かる。
何をやっている時間も惜しくてとにかく勉強したいという気持ち、凄く共感できるし美波さんの演技は本当にリアリティがあるのだ。
演技はリアリティがあるが、モチベーションにリアリティを感じないのは私の感受性が貧しいからなのか?だって、お嫁さんになるために・・・ってそんなに強い動機付けになるのか?
あ、なるんだった。。。翔の姉もお嫁さんになるという激しいモチベーションゆえに、あり得ないくらい下品な行動をとってるもんね~。
話は変わって、この翔の姉、打算女の下等な月(←ひどい変換・・・)加藤夏希のドヤセリフがすごかった。
出勤前に帰りが遅くなるから友達のところに泊まるかも、という打算女に、母由美子がキ~っと、「友達ってぇ?・・・・男の人ぉ?」
「可奈ちゃ~ん、そういう人がいるんだったらちゃんと紹介しなさいよぉ。」と無言で出て行こうとする娘の背中に言う母。
続けざまに「いるのか?」と父(渡辺いっけい)。
たたみかけるように母「ちゃんとした人なの?」
それを聞いた娘が、もおのすごいドヤ顔で振り返って言い放った。(笑)
「北沢さん(眞島秀和)は、京大卒で、外資の銀行のトレーダーで、年収1億円超えるの」
それより面白かったのが、それを聞いた父母の表情。まるで水戸黄門の印籠を見せられてひれ伏す悪代官?のようだった。(笑)
ホントに、この家族ヘン。
その次のシーンが、受験勉強をしている珠緒を励ます沖縄の母との会話。同じ家族でも価値観が全く違うのだ。
珠緒の家族はいつも温かい。
さらに、気になる打算女と北沢さんのデートだが、六本木ヒルズの階段を下りてきて、お泊まりしたいビームを送ったのに思ったのに、北沢さんに自宅まで送るといわれ、作戦変更して無理やり、自宅の居間まで連れ込んで両親に紹介した打算女。すごい。。。酔っ払っていたから玄関まで送ったのに、両親への紹介のときになるとすっかりシラフ。そして、この両親も「すぐ失礼しますから」という北沢さんを逃すまいと必死。
父なんて、パーカーがだらしないからと着替えさせられるし、なぜか急に帰ってきた翔は、医学部目指してる浪人生ってことにされてしまうし、この母親って一体どういう価値観なんだろ???
この一連の不自然な家族の言動だけでも、ヘンだと気づいてもよさそうなものだけど、北沢さんも人が良すぎる。(笑)
娘は、翔のせいで北沢さんを捕まえられなかったらどうするのかとわめくし、挙句、お母さんみたいに失敗したくないという。
それを聞いた母は、お父さんは部長にまでなってくれたと言って、幸せでないはずないと、夫に同意を求めるもののわからないといわれる始末。
その翌日、急にキッチンドランカー(笑)になって、島田を訪ねて文句を言っているうちに翔を傷つけたと泣きわめく母。このときの黒木さんのお芝居もなんだか唐突で説得力も無くて、なんだんだろ?
それに引き換えその相手をする島田はよかったな~。自分の離婚のことや貧しくても温かかった家庭の思い出を語るときや、由美子への憐れみも感じる視線とか。。。
今回色々面白かったが、イジワルnanakoが一番おもしろかったのが、可奈のお誕生日会@北沢さん宅。
ケーキを前に乾杯した後、北沢がおもむろに「はい、これ、プレゼント」と差しだした例のビロードのかまぼこチックな横シルエットの箱。
それを見て、「ほんとぉ?うれし~」と、満面の笑みで箱を開けた打算女可奈。
そこには、真珠がみっしり付いた趣味の悪いリボン型のブローチが。。。趣味が悪いから表情が曇ったのかと思いきやいきなりのセリフ!
「リングじゃないの・・・」←責めるような、がっかり度120%の言い方。すごいわ~、この打算反射神経。失礼すぎて普通思いつきもしないセリフだ。
「え?」と、驚く北沢さん。←そりゃ~驚くよね~。(笑)
戸惑う北沢さんに訴える可奈。「私ってばかだ。この箱見た瞬間、リングだって思っちゃったの。」と、半泣き。
「ごめんごめん、だってサイズ知らないし、一緒に買いに行く時間もなかったから」
泣きながらリングなんてもらえるわけないし・・・とか言う可奈に
「僕が紛らわしい箱にしたから・・・」
「そうじゃないの、ずうずうしくリングだって思った私がいけないの・・・」と、泣きながらうるうると北沢さんを見つめ続けたら・・・
北沢さんたら愛おしくて仕方ないといった表情で「可奈・・・」と言って抱きついて押し倒した。。。北沢さん、女知らなさすぎ。(笑)
というより、私が男知らなさすぎなのか?(笑)
と思っていたら、夜この娘が母親に「お母さん、相談したいことがあるの。赤ちゃんができたの。」ですって。
ある意味おめでとう。作戦成功だもんね。
「でも、北沢さんが結婚なんて考えられないって。私、捨てられちゃうかもしれない。どうしようお母さん。」と泣き崩れながらも「私、北沢さんの赤ちゃん産む!」と宣言する娘。すげ~。(笑)
でも、予告編でこの娘と北沢さんの結婚式もやっていたので北沢さんもそこまで無慈悲な男ではなかったのだろう。(笑)
大出電機メーカーの子会社出向中の父は、今度の吸収合併先ではポジションがないといわれこっそり就職活動をするものの、エージェントの面接で「売りになるものは?」と聞かれ、早稲田の理工学部卒で、道芝電気の部長をやっていたと、笑えるようなことを本気で言う。「経歴は結構です。何ができるかを教えていただきたいんですが。」と言われ茫然とするのが滑稽だ。
滑稽だが、そんな人は多い。人事をプロに任せずそんな考えの役員が主導権を持って採用をしているカイシャを知っているが、大企業出身のトーダイ・キョーダイ・ワセダ・ケーオー&MBA付きの人達で、使えるヒトはほんの一握り。しかもそれだけに目を奪われて採用しても使えるヒトはそんなカイシャには見切りをつけてさっさと辞めていく。残るのは、プライドしかない使えないヒトばかり。。。
そんな、ニッポンの今も切り取っているのがこのドラマの面白いところだ。
8回完結らしいのでまだまだ楽しめそう♪