JR宮島口駅の駅弁、穴子弁当が大好きだった。
よくわざわざ車で駅まで買いに行って、その近くの防波堤に上って美しい瀬戸内の海面と対岸の宮島を眺めながらいただいていたのを思い出す。
お気に入りのその場所で見る瀬戸内の水面は、その季節や時間によって様々な表情があり、その美しい瞬間を何とか記憶に止めておきたいと毎回思っていた。
クロード・モネが同じモチーフを季節や時間別に描いた気持ちがわかるような気がしたものである。(←理解できると思うほど厚かましくは無い)というか、自分に絵の才能があれば同じことをするだろうと思ったものだ。(笑)
あの頃は、この穴子弁当は単なる駅弁だったのだが、バブルな頃かの(←絶賛の意ではない)山本益博氏が週刊文春の「考える舌」という連載で取り上げてしまったのでなんだか有名になってしまい、今日では駅前の薄汚れた感じだった上野食堂がすごく立派なお店になって、すっかり有名店らしい。
お店も「あなごめし うえの」http://www.anagomeshi.com/map.htm という名前になっている。
最近では買うのも困難らしいので、電話でお弁当を予約してから取りに行った。
18:30にお店に入るとほぼ満席の店内でテーブルにお料理があったのは2組くらいであとは待ちぼうけ状態で、店員さんは見当たらなかった。
奥の厨房まで進んでお弁当の引取りだと告げると、出口で待てとのこと。
地元の人が「昔に比べてなんだかエラソーになった」と言っていたが、確かに「いらっしゃいませ」も無くちょっとびっくり。(笑)
かれこれ20年ぶりくらいの「あなごめし」(個人的には「穴子弁当」なんだけど)。
包み紙は大正時代などの復刻版らしい。
お弁当箱は昔ながらの経木。暖かなご飯を詰めてそのまま冷えてくると美味しいご飯ならより一層美味しくなるお弁当箱だ。
穴子は、昔よりもなんだか大ぶりで厚みもある。
噛むと結構な弾力。味付けは甘辛過ぎることも無く絶妙。
ふっくらやわらかいことが美味しさだと思う方には評価されないかも。でも、決して固いとかそういう訳ではなく、無駄なく味付けがしてあり穴子の美味しさを生かしている。
ご飯は穴子出汁+醤油などで炊いてあるようだが、これがすごく美味しい。御飯だけいただいてもしみじみできる。
総合的にも相変わらず美味しかったのでとてもうれしかった。
が、包装紙の原材料をじっくり見て少しフクザツ。
穴子(国産・韓国産・中国産)・・・なるほど・・・今日のは恐らく国産ではないな。。。
ま、美味しからいいのだが、昔は国産だったしもう少し安かった。
正直言って、穴子弁当としては高い。でも、地元名産の穴子を使用するのであれば当然だと思っていたので納得していたのだが、中国産ならコストは全然違うはず。。。一緒にいただいた地元の方たちも久々だったらしいがみんな釈然としていなかった。(笑)
ま、美味しいからいいんですけど。(笑)
あなごめし うえの
住所:広島県廿日市市宮島口1-5-11
電話:0829-56-0006
営業時間:10:00~19:00 [弁当]9:00~19:00
定休日:無休(水曜日は弁当のみ)