録画しておいた「太郎の塔」第1回を見た。
実は、疲れ果てているので寝る前にベッドで観てそのまま寝ようと思って軽く見ていたのだが、思わずこの感動が残っているうちに感想を書いておこうと思ったわけだ。
いきなり大音響の音楽と共に黒い画面に白い文字で 土曜ドラマ!思わずテンションが上がる。
土曜ドラマといえば、もちろんあの名作「ハゲタカ」だ。
常々「ハゲタカ」の新作を夢に見ているわけだが、その「ハゲタカ」の訓覇圭さんがプロデューサー(製作統括)をなさる新作ドラマなのでとても楽しみにしていた。
私はドラマはドラマだけで勝負してほしいという考えの持ち主なので、ドラマを見る前に色々とHPを見たりとか原作を読んだりとか関連ブログを読んだりとか、そいう言ったことは意識的に排除している。
もちろん、この「TAROの塔」も例外ではない。
ってことで、嫌でも知ってしまった主演が松尾スズキさんだということと、岡本かの子が寺島しのぶということくらいしか予備知識が無い状態で視聴した。
もちろん、岡本太郎氏については色々と知識があるのだが。。。
青山の岡本太郎記念館(http://www.taro-okamoto.or.jp/ )は何度も訪問しており、芸術家としての岡本太郎という人のすごさも認識していた。
岡本太郎記念館の併設cafeア・ピース・オブ・ケイク (a Piece of Cake)は狭いながらも、ケーキ類が美味しくて素敵なのだ。
因みに、ドラマの中のアトリエは実際の青山の記念館のように見えたがやはりドラマ最期のクレジットで撮影協力として財団名が挙がっていたのできっとロケに使ったのだろう。
記念館は、実際の太郎氏の作品も収蔵されていて、机の上や画材もおそらく生前のままのようになっており、見学者は入り口から部屋の中を覗くような感じだ。
そこまで、ドラマに協力するものすごいし、させてしまうのはさすが土曜ドラマ?
そこを訪れ、作品を見て関連本を読んだりしたことで、子供の頃の「芸術は爆発だ!」といっているちょっと変わったおじさんというイメージはすっかり消え去っていた。
もっとも、母親に言わせれば岡本一平と岡本かの子の息子だということがまずありきだったらしいが。
そして、このドラマはたったの55分で私の知らなかった岡本太郎も教えてくれ、そして「芸術」というものがいったいどんな怪物なのかということも改めて知らしめてくれたように思う。
ストーリーの構成やセリフ=脚本、役者、映像(セットや照明)、音響全て大満足だった。
最近大河ドラマを始めとして、ドラマに多くを望んではイケナイとハードルを下げていたこともあってか、久しぶりにドラマを見て面白いと思えた。
役者さんは、本人にしか見えない松尾スズキさんはじめみなさんいいので、あれこれ書くつもりはないのだが、今回の拾いもの(←失礼な言い方)かの子の連れ込んだ学生役の成宮寛貴さんと少年時代の太郎役の高澤父母道(たかざわふぼみち)さん。
成宮君は、いつもの彼を全く感じさせない役作りと、照明やメイクさんの技もあってかその仕上がりは「ハゲタカ」で初めて鷲津政彦を見て、大森南朋さんを知っていたのに「だれなんだろ?この役者」と思ったときの感覚を思い出した。
子役の父母道くんもとっても良かったが、特に寄宿舎での反骨精神が現れた物言いも思わず応援したくなるような闘っている感じがにじみ出ていた。
もっとも、登場人物は皆闘っているのだが。
実在の人物を扱うのは本当に難しいと思うが、私としては珍しくツッコミなしで楽しめた。
これから徐々に、HPなども見て情報収集をして更に楽しみたいと思うが、今日のところはそんなわけで全くの個人的で裏付けのない感想なのでおかしな点があってもあしからず。