龍馬伝 第41回 「さらば高杉晋作」の感想です。。。

第4部に入って若干テンションが持ち直したものの、やはり感想を書くモチベーションはあまり上がらない。(笑)

でも、今日はありがたくもハゲタカ廃人某嬢のお誘いをいただき、生大友啓史様の「龍馬伝」の公開セミナー@横浜放送番組センターに参加してきたので、その感動の勢いを借りて。(笑)

(セミナーの内容は非常に興味深かったので、まだ後日記事をUPする予定。)


久々に自分の知っている史実とこのドラマが重なった部分があった今回の龍馬伝。


タイトルロール前のシーンから気合が入りまくったセットに照明に演技に・・・って要するに演出。(笑)

変わり身の早い後藤象二郎(青木崇高)の英断のお陰で、土佐藩の援助を受け亀山社中改め海援隊を結成した龍馬(福山雅治)さん。「勝手に腹を切ることは断じて許さん」と海援隊に言いつける龍馬。長次郎(大泉洋)が頭をよぎったのは私だけではないだろう。


日本最初の株式会社だと聞いているが、その辺って商法も無かっただろうし株式に該当するようなものを発行していたのだろうか?それとも、出資者(土佐藩?)がいて経営者(龍馬?)がいて、利益配当があったようなのでそういう形態を指しているのだろうか?ま、いいけど。

エゲレス語のビジネスってことなんでしょう。


その出資者から選任され送り込まれたCFO(財務経理最高責任者)としての岩崎弥太郎(香川照之)があのBGMと共に、海援隊のオフィス!に登場!

弥太郎のテーマ「雑草魂」も、いろんなバリエーションがあるが、この期に及んで更に重厚なバージョンが生まれている。今回のはフルオーケストラ版でドヴォルザーク調。すごいな~佐藤直紀先生。


が、弥太郎は例のごとく後藤様に言われて エラソーにやってきたのに、これ幸いとばかりに早速たまりに溜まった請求書を押し付けられ、その上、船まで用意しろと畳み掛ける龍馬。すごいな~。ここは、素直に感心してしまった。

単なる“友情に厚い、女にモテる”だけの男ではないんだな~。才谷屋の血筋だけある。

今日のセミナーで大友さんがおっしゃっていたが、世の中を動かすのは「志」だけではなく、「経済」だと。

そういう意味では、龍馬はいつも「経済」=ビジネスのセンスも発揮していたな。


そこから、とっても濃密で緊張感溢れる長崎奉行。

前回の後藤象二郎はほんと、すごかったが今回もすごかった。


因みに、前回のシーンについてのインタビューをたまたま見つけて更に、青木崇高さんの好感度UP。


http://mantan-web.jp/2010/09/27/20100926dog00m200019000c.html  


もし、未読の方がいらしたら是非、お読みいただきたいくらい充実した内容だ。

↓一部抜粋

『青木さんは「(自分の)撮影日の2倍は見学に来ています。収録を見たいんです」と話し、初めて撮影にプログレッシブカメラを導入するなど斬新な演出の「龍馬伝」への出演に、「こういう瞬間に立ち会えて……という幸せがすごくある」と感慨深げだ。』


↑こういう幸せについては、香川照之さんもキネマ旬報で語っていらっしゃる。弥太郎?目線の『龍馬伝』

『福山さんについては、「(自分にとって)“お兄ちゃん”という存在」と笑う。福山さん演じる龍馬についても「正直、かっこいいですよ、悔しいぐらい。視聴者としてはほれぼれしている」と苦笑いする。しかし、「自分は龍馬を引き立てるための存在ではない」ときっぱり。「自分は自分で存在して、(ほかの役者)みんながしっかり存在しているからこそ、龍馬が立つ」と話した。』


まっこと、おまんの言うとおりじゃき!

これって、ほんと、単なる一般視聴者である私でもいいたいが、こうしてインタビューではっきり言っていただくとスカっとする。(笑)


今日のセミナーでも、大友さん他がおっしゃっていたが「我々は出番が無くても青木さんには全部スケジュール送るんです (笑)」だそうだ。

最初の頃は、青木さんはなんで出番が無いのにいるんだろ?という感覚だったが、「第4部では欠かせないアイテム」by柘植さん だったそうだ。うろうろしている青木さんは大型犬のようだった、と。出番が無くても本当に来たくて来てくれている存在と言うのは希望を持たせてくれていたそう。現場がピリピリすることもあったりしても和んだとか。

あと、今日のセミナーで聞いたのだが、あの最近長くなったもみあげは、青木さんの地毛だそうで自ら自然にやっていたそうだ。びっくりする会場の反応に「毛深い男なんですよ」と、すかさず大友さん。(笑)

司会のペリー荻野さんによると、青木さんはいつも自転車でNHKに通っており半ズボンですね毛ボーボーだったらしい。(笑)


そして、とっても濃い長崎奉行所。

奉行所の獲り方2名を射殺し、とか言われている脱藩藩士坂本龍馬について長崎奉行(石橋稜)に問われるも、「土佐藩参政後藤の言葉をお疑いとは無礼千万ではございませんろうかあ!」と言うなり正面を向いたままかすていらを鷲掴みして乱暴に頬張っておおきなかけらをこぼすところがなかなか。。。

そして、かすていらでいっぱいになった口でもごもごしつつもすごい形相で「お奉行とて許せませんぞぉ」と、目をむき、もごもごながらも「今後は坂本の詮議無用」と言い放つ豪胆さ。味方に付けると心強いタイプの典型だ。

ここでなぜか、立ち去ろうとする象二郎にもうひとつかすていらを勧める長崎奉行。不思議だ。。。


しかも、そのかすていらを持った手を掴んで指も一緒に噛んでしまう象二郎、怖すぎ。(笑)

さらに、食い散らかされたかすていらを乗せた台のアップのカットでこの場面が終わる。

このかすていらは、現在私たちが普通に見るカットの仕方のかすていら。普通に考えると四角く焼き上げたもののように思える。しかし、数年前?に長次郎が材料調達して、亀山社中の資金調達のためにせっせと焼いていた頃って、まあるかったような気がするんだけど、かすていらも進化してるってことなのか?

それとも、四角くカットするのが粋なので、周りは切り落としていたのか?と、どうでもいいことが気になる。。。


なんだか、大友作品では一見悪者(実はどうなのか不明)が明後日の方角を見ながら何かを頬張るシーンが結構多いけど、このかすていら対決は中でもかなり印象深い。さすがいつもスタジオをうろうろしていただけのことはあるのか?青木さん。(笑)

このシーンでは、ハゲタカ同様ヒヨドリのキーキー言う鳴き声がBGMと重なる。

大友さんチックでとっても楽しい。今日のセミナーでも動物がたくさん出てくることについても触れていた。


場面変わって土佐商会。

大浦慶(余貴美子)との生糸をめぐる会話なんて、三菱財閥をなす弥太郎の片りんがうかがえてちょっとワクワクした。お慶もそうとうやり手のビジネスウーマンだが、それよりも一歩先を行く弥太郎がカッコよく見えた。

船もしっかりリースという手法で手配するつもりだし、やるなぁ。


そして、私の大好きな長州は下関のシーン。

三吉慎蔵(筧利夫)は出てくるだけでなんだかジーンとする。いいなぁ。

三吉さんと対面する龍馬もいい感じ。生涯の友とか言ってた時は空々しい感じがしたが、この再会の様子を見ているとなんだか説得力がある。

ここから高杉晋作(伊勢谷友介)邸での木戸寛治(谷原章介)、龍馬のシーンがみんなすごくいい!!!

どうして3人とも、表情だけであんなに魅せてくれるのだろう。。。

そして、高杉さんが遺言として聞いてほしいといい、「なんじゃ」と応えた木戸さん。いい!!


と思っていたら、高杉さんが「坂本さんは、奇跡を起こしてくれた。馬関の戦いは奇跡じゃった。」と。

思わず「出たあ!」とTVに大声で突っ込んでしまったワタクシ。覚悟はしていたがいざとなるとね。。。

せっかくそこまで、みなさんの熱演にじ~ん、じわっと来ていたのに一気に冷めてしまった。(笑)

死にゆく人はみ~んな「龍馬が起こしてくれた奇跡」に感謝することになっているから仕方ないんだけどね。


騎兵隊の農民達が高杉さんを慕って門前で追い返されるまで、高杉さんの無念や現実と向かい合ってもがき苦しんでいる木戸さん、それを見守る龍馬。そして門番に至るまで全てが一体となって高杉さんの哀しみを私達に伝えてくれる。


と、ジーンとしていたら弥太郎が引田屋で接待攻勢をかけて船を借りようとしている大洲藩の重役が百瀬(ハゲタカのサンデートイズの常務で~す)だ!あ、ちがう、岡本信人さん。

弥太郎の交渉内容は素晴らしいが、もう、完全にギャグパート担当者になっている。(笑)



高杉さんと龍馬の海辺のシーンも素敵だった。

「戦に勝ったもんではのうて、ニッポンを、日本人を幸せにしよういう、志の高いもんが国のまつりごとを担う」

と言う龍馬に「そりゃあ、ええ」という高杉さん。

高杉さんの騎兵隊の成り立ち方こそ新しい日本の形だと確信したと言う龍馬。

そして、感極まった高杉さんのセリフに注目!


「かぁ、いやぁ、うれしいのう。わしは、希望を託せるお人に出会えた。・・・・・日本を、頼みます、坂本さん」と、頭を下げる高杉さんの肩を抱いて「うん・・・うん・・」と小声でうなずく龍馬。

ここだけ、「僕」ではなく「わし」なのだ。こういう細かい違いから引き起こされるざらっとした感触はすごくひっかかる=印象に残る。

脚本家の作為なのか、それとも高杉さん=伊勢谷友介の作為なのか?


「僕の出番は、もう終わりです。あとは、酒を飲んで三味線を弾いておもしろおかしく暮らしたい。あの世で。・・・・・高杉晋作はそう言う男ですけぇ。」

「そうかえ」そして今日はいい日だと言い合う二人。

この一連のシーン。海や空の青さと同様、お二人の表情や佇まいが素晴らしくて泣けて仕方なかった。

同じBGMで続くお龍と龍馬の会話のシーン。

人はどうして死ぬのかと問われてのお龍さんの答え。


「人の死と言うものは、終わりだけではないと思います。その人の役目を、志を受け継ぐ者にとっては始まりどす。」

「そうじゃのう、どんな時も前にむかわんといけんがじゃき」と、龍馬。


このお龍のセリフと同じことを、今日のセミナーでも言ってたな。。。

ハゲタカの劉一華(玉山鉄二)の死もやはりそう言うことなんだよな~。と反射的にハゲタカを思った私はやっぱりビョーキ。(苦笑)


散りゆく桜の花びらを浴びながら三味線を弾く高杉さん、そして龍馬と語り合ったあの浜辺に一人佇み泣いている高杉さん。。。大友さん言うところの「分泌物」満開。(笑)ちょっと、ここはやり過ぎ?

29歳で亡くなった高杉さんの志は龍馬の中にすでに息づいていた。

ってことは、その龍馬の志はどこに???ニッポンジンみんなぁ~に?


「龍馬暗殺まであと、七か月」

↑これって・・・。と思っていたが、製作スタッフは最初に「龍馬暗殺まで後一年」のナレーションを聞いたときドキっとしたそうだ。本当に龍馬伝はスタッフが熱いぜ!