龍馬伝 第40回「清風亭の対決」の感想。
遅れ気味ながらも、やっと本放送に追いついた。(笑)
なんで、こんなに意地になって(←もう開き直ってあっさり認めてる)観て、感想まで書いているのか自分でも不思議なのだが、やっぱりお気に入りブロガーのみなさんがきちんと毎週のように感想をアップされているのをRSSで知ってしまうので、ど~いても読みとうなってしまうがじゃ。(←脳内は弥太郎の語り)
今回は演出をしっかり見た。Wキャストじゃなくて・・・。
松園武夫さん・・・が上で、下が渡辺一貴さん。。。下の方が上なの?(もちろん、ポジションが上ってことです)
この期に及んで初登場の演出家ってどう考えてもヘン。
大友啓史様が若手を育てるっておっしゃってるのってこういうこと?
私が渡辺さんだったら、なんか傷つきそう(笑)
いきなりBGMの話で恐縮だが、亀山社中が荒らされていたところ~長崎奉行~そして荒らされたことを報告される龍馬(福山雅治)までの曲って、やっぱりハゲタカチック。これに続くのは私がお気に入りのバロック調の弦楽器の曲。旋律が昇華していくあのパターンはバッハそのもの?
なんで、今更ハゲタカみたいなBGMだと思ったかと言うと、いつも龍馬伝やハゲタカに対する私の好き勝手な感想を聞いていろいろと突っ込んでくれる友人Nちゃんが、言っていたからだ。
龍馬伝については基本的にワルクチを言ってしまう私だが、BGM by 佐藤直紀さんのことは大絶賛なのだ。
先日、Nちゃんは言い放った。
「龍馬伝のBGMってハゲタカみたいですよね。」とあっさりと。
私「実は、私も最初の頃そう思っていたんだけど、(ハゲタカ廃人フィルターで感受性が)曇ってるから気のせいかと思ってたのよ。でも、Nちゃんが思うんだから間違いないね!」と、若干意味なくはしゃいでしまったのである。
だって、Nちゃんは龍馬伝を見始めた後に私から無理やりハゲタカのDVDを貸し付けられたのだから。。。
ハマってくれなかったけどね。。。(「龍馬伝」の感想by一般人 )
相変わらず長崎の商人達って、筋が通っていてしたたかでカッコイイな。
でもそれも、きっと脚本の意図としては、龍馬が立派だったから、なんでしょうけど。。。
お元(蒼井優)ってあんまり意味がわからないし好きじゃないのだが、やっぱり蒼井優は上手いと思ってしまう。特に、岩崎弥太郎(香川照之)とのやりとりはつい、見入ってしまう。
演技が上手くてセットも何もかもがきちんとしていると、他のこと(って、よくわかんない筋書きのことですけんど)は、しばし忘れて楽しめてしまうのだと思った。
それにしても、龍馬に嫉妬する弥太郎の表情ってすごいな。。。
最初に「すごすぎっ!」と思ったのは、龍馬の江戸行きに勝手に付いていって宿で寝ている龍馬を布団から顔を出して片目だけでそのジェラシーをむき出しにしたところだったなぁ。(龍馬伝 第3回 やっぱり三菱・・・ )やっぱり、弥太郎がその嫉妬目線で語る龍馬伝なわけだから、香川弥太郎がその嫉妬の表現で物語に無理矢理でも説得力を与えようとしてくれているような気すらしてくる。
脚本のことを考えるとどうしようもないので、そんな変なことまで考えてしまうのが龍馬伝のすごいところだ。(←邪道で楽しみを無理やり見つけるしかないもんね)
「お元と二人っきりとは、うらやましい奴やのう、おまんは。」なんて、自分が弥太郎にうらやましがられているのを知っていながらそんなこと言いつつ突如現れる龍馬。いいタイミングだ。(笑)
そんなにお元っていいポジションなのか?と、毎回思ってしまう。。。
相変わらず、弥太郎に対しては超エラソーな龍馬。不思議な脚本だ。
今まで心待ちにしていた武市半平太(大森南朋)や、岡田以蔵(佐藤健)の回想シーン。
なんか・・・・。なんか・・・・。なんか・・・。
そしていよいよ、清風亭での“ドS&掛け軸の虎にそっくりな顔”の後藤象二郎(青木崇高)との対決。
象二郎に薩長との仲を取り持つように言われ、そうしようとたくらんでいるくせに「お断りします。」と言って、いきなり「土佐藩のため、大殿様のため」ときたもんだ。
このセリフはあの支離滅裂な脚本家にいつもキメ台詞として武市半平太が言わされていたヤツじゃあないですろうか!全身で反応しちまった。。。
で、いきなり半平太や以蔵のことを持ちだすなんてなんだか。。。
戦の勝利自慢~大政奉還についての龍馬のセリフ回しとか、いろいろがなんか鼻につくのみなのはどういて?理由はわかっちゅう。普段から説得力があるわけじゃないのに、いきなり口調と態度だけエラソーになるからだ。筋書きとしても流れが無いからだ。
にもかかわらず、後藤象二郎=青木さんはあんなキャラなのにそれなりに説得力があるのは、演技によるものなの???青木さんは文句なくよかった。もちろん、亀山社中の皆さんも。
↓コメントをいただいて、やはり「後藤の象ちゃん」について書き足りないと思ったので。。。
後藤象二郎って、伯父上の吉田東洋(田中泯)のお陰であの地位につけただけのドSでひがみっぽくて、弥太郎をとことん都合よく使って、そして半平太や以蔵をとことん痛めつけたという結構ヒドイ人物だった。それに最近は、「岩崎、岩崎、岩崎!」と怒鳴りまくっては、なぜか弥太郎に命令するときはプロレスごっこかと思うような状態で弥太郎をいじめていたし、一体どんなキャラにすればあの脚本家は気が済むんだ???と思っていた。
だって、史実では龍馬とも手を組むし明治政府では大活躍だし。。。
それが、今回のあの清風亭のあの一場面の中で、見事に今までのキャラを全否定することもなく、豪胆でしたたかゆえに龍馬と手を組むことを受け入れた、と思わせるだけの人間力を見せてくれた。
それは、あらゆる身体表現を駆使しているのではないかと思うほどであった。
青木崇高さんが上手いのはわかっていたが、今回のあの説得力はすごいと思ったし、龍馬伝はキャスティングとそれに真摯に臨んで期待に応えている素晴らしい役者に支えられているのだとつくづく思ったのである。
↓こちらで大友さん他による「龍馬伝」セミナーで伺った内容も書いた。
いいシーンのはずなのに、なんか入り込めないのはとってつけたような龍馬の言動なんだろうな。惜しいな。
でも、あの部屋の中での一触即発(文字通り刀が当たっていない方が不思議なくらいの密度)状態って大変だったろうな。。。
後藤象二郎の表情を含めての凄みや魅せてくれる演技のお陰で、かわいそうな福山龍馬は薄っぺらく見えちゃって。。。え?見えるんじゃないって?
でもね、なんかあの脚本に育てられたんじゃあ、あんな龍馬にしかならなくても不思議ではない。
脚本がよかったら、きっと福山龍馬だってもうちょっといい感じの龍馬になっていったのではないのだろうか?とか、そんなことを思うのである。
あら、今日も「龍馬暗殺まで、あと10カ月」で終わったのか。。。ふ~ん。