やっと第33回です。早く録画済みの第34回に追いつかなくては。。。

私みたいにモチベーションが落ちて、録画に頼る人が増えているから視聴率が落ちる一方なのだろう。


自然脱藩しそうな気配もあるのだが、なんだか福山龍馬もどこまで変わっていくのか見届けなくちゃ、と思い始めたのだ。実家の母が何かのNHK番組のゲストに出ていた福山雅治を見て見なおしたと言って、わざわざ私にもその録画を見せてくれたのだが、力の抜けた感じがよかった。

それに加えて、先日放送されたトップランナーでの彼のいろんなスタンスを見ていると、なんだか福山龍馬に同情すら感じてしまったのだ。


龍馬伝第33回「亀山社中の大仕事」は、実家にいるときに親族での食事会のときにチラ見できた程度。

いちいちチャチャ(←楽しいので大歓迎だが)が入るのと、TVに向かい合って食事しているわけではないので印象に残っているのは蒼井優がドアップになっていたことくらい???


で、やっとちゃんと見ちょります。

出だしの長州勢、あいかわらずいいですね~。

桂小五郎さん(谷原章介)のもの言わずともにじみ出る複雑な心情が素晴らしい。

高杉晋作(伊勢谷友介)がカッコつけすぎでしかも決まっているのも相変わらず。


タイトルロールの最中は、用事を色々やっていたが、最後の演出だけはしっかりチェック。大友啓史様だ。

だが、今までのように「よしっ!」とは思わない。なぜって、半平太の扱いがまっとうになるとかそんなことを心配しなくていいからだ。

第3部になってから演出家がだれでも「どうでもええがじゃ~」状態。

一般人(←大森半平太とかに思い入れが無いという意味)が演出家の違いなど気にしたこともないと言っていた気持ちがわかるような。(笑)

そうは言っても、やはり大友さんの映像美は好きだと気付かされるけど。


ストーリー的に、お元(蒼井優)のこととか触れたほうがいいのだろうが、興味のないことについてはいつも通りすっとばすのが不親切なこのブログの特徴なので許してつかぁさい。(←最近、これに逃げっ放し 笑)


龍馬が、大浦屋さんのバースデーパーティーにもぐりこんで無理やりグラバー(ティム・ウェラード)とお話をするシーンが個人的には興味深かった。

アランじゃなくて、グラバーさんのことは今まであまり触れてこなかったが、なかなか大したものだと改めて思った。ハゲタカでのエリート青二才な感じはティムさん本人のキャラそのまんまなのかと勝手に思っていたが、今回のグラバーさんを見ていて単なる外国人タレントの枠には収まらない演技力を感じている。

英語ひとつとってもちゃんと訛り?(英国人に言わせるとアクセント)を使い分けているし、その動きというか身体の使い方が役になりきっているのが素晴らしい。


御承知の通り、イギリスは演劇に対するメソッドも確立されているし生半可なスキルでは役者として採用されることはないので、あちらのドラマ(グラナダTVのシャーロックホームズなど)の役者の演技力の説得力は半端ではない。

そんなイギリスの演出家で私が大好きなデイビット・ルポーが日本で行っていたワークショップtptに大森南朋さんも参加していたのを「さもあらばあれ」を読んで知ったので、南朋さんの演技力について納得したりもした。


話がそれたが、ティムさんがそんなメソッドの薫陶を受けているかどうかは全く知らないし調べたりもしないが、そんな国で育っただけのことはあるな~と思う。



で、ちょっと気になった龍馬のセリフ。

「商売ゆうがは、風向きを読まんといかん。風向きによっては金の流れが変わってしまうきにのう」

「もし、ニッポンがこれからどうなるかがわかったら、いや、それを自分で決めることができたら、グラバーさんは大もうけできる」


これにそっくりな話を、1ヶ月くらい前にボスから聞かされた。彼はヨットマンなので風にはうるさい。(笑)

ビル街を歩いていても同じ風でもビル風なのかそうでないのか、当然のようにわかっていてあまりそういうことを考えない私はへぇ~って感じなのだが、先日は風を見極めて即座に舵を切れるようにしておくことの大切さとか風を起こすとかそんな話をされたのだが、龍馬伝の前でよかったですね~と思った私は意地悪だ。(笑)


こうして、手の内をさらけ出す手法でグラバーを落とした龍馬が「このお仕事は、亀山社中のみんなぁで!」的な感じで長次郎と惣之丞に任せる。

長次郎の船に対する深い知識に対してのグラバーの「なかなか目の利く人だ」が、"You have a good eyes of ships"なんだ~とか思ったが、日本語を話せるのに英語のわからない長次郎を褒めるために英語を使うところがなかなか屈折していて面白かった。見ていると、思わず出てくるセリフは英語らしい。


アメリカ人と結婚した友人宅に遊びに行っていると、インターナショナルスクールに通う息子さんは一応日本語で話しているのに、TVに夢中になっているときなどは英語で「静かにして!」と言う意味で"Remember! This is not on(←記憶が不確か) DVD!"と思わず言うのがおもしろかったが、そのあたりもリアルに演出されているなぁと思う。


お元が龍馬を小部屋に連れ込んだシーンは色々と映像的に面白かった。

蒼暗いシルエットだけの映像に被ってくる次のカットなどの流れも良かったし、二人の緊迫した芝居も良かった。

大友ワールド全開だ。

でも、お元のことを美しい芸子とかこんなにきれいな芸子は見たことないとか言ってたけど、ちょっと違和感。(笑)かわいいとは思うけど、きれいっていうならお龍さんのほうがよっぽどきれいだしねぇ・・・。


前回も思ったが、このシーンでも福山龍馬がいい感じに見えてきた。

と、同時に福山雅治さんが最近なんだか、不憫になってきた。(笑)

だって、役者が本業でもないのに国民のヒーロー役を大河ドラマで引き受けて、あの脚本で、芸達者な役者に囲まれてやっているのだから。。。普通の神経では出来ないだろう。。。


で、その龍馬の活躍で手を結ぶことになる西郷さんと桂さんの複雑な表情もいい。

ラストの龍馬が砂浜に寝転んでいるところも、狙ってる感じもあるが悪くない終わり方だと思った。


でもね、なんかドラマとして来週も早く見たい!とか言う感じのテンションにならないのだ。

なんでだろう?

なんだか散漫な感じで、感想もドラマのストーリーを楽しむというよりも役者の力量とか演出法とかそれにまつわる色々に想いを巡らせたりとか、なんだか本末転倒な感じになってしまった。

やっぱり脚本のせい???

脚本がおかしなことをさせなければもっとよかったのにね・・・とこのシーンを見て再び思ったのである。

あ、過去形なのはもちろん、半平太絡&龍馬もちょっこし。


今、視聴率を見てみたら過去最低の13.7%。

「ゲゲゲの女房」が15%台からスタートして最近は20%台をキープしているのとえらい違いだ。

ゲゲゲもスタートから欠かさず見ているが、やっぱりストーリー的にどんどん面白くなってきているから当然の結果なのかもしれない。(向井君効果かも・・・と思っているのは置いておく 笑)


龍馬伝を巡る状況は、だんだんと厳しくなってきているが、脚本家を選んだのもそれに対してどこまで物申しているのかわからないが、それもNHKさんなので仕方ないことではあるのだが、ほんとにいろんな意味で惜しいといつも思ってしまう私の立ち位置って自分でもよく分からなくなってきた今日この頃である。


ま、シンプルにドラマとして楽しませておくれ~!と言いたい。(笑)