まいどお馴染み、和菓子の仙太郎。
いろいろな和菓子屋さんのいろいろな和菓子を食べ尽くしたが、自分のおやつ用として買い求めるお店は、この3年は南青山の「まめ」 か、仙太郎に落ち着いている。ときどき、浮気するのだが軽く後悔することが殆どなのでなんだか保守的になってしまっている。(笑)
それでも、いつも期待を裏切らないのがうれしい。
この水無月は、実は水無月=6月前後も販売している。
今の時期は、黒(黒糖使用)と白があるのだが、個人的には小豆のお味を楽しむのに黒砂糖の強い個性がちょっと邪魔だと思うので、白に落ち着いている。
白い部分は外郎でもちもちぶるんとしており、ほのかに甘い。そのねっとり&むっちりした台に乗せられた小豆も粒粒を感じさせてくれながら、外郎と一体となって満足な世界を口の中に広げてくれる。(大げさだぁ)
仙太郎さんでいただいたしおりによると、旧暦の水無月(6月)の水が乾上るほどの日照が続く真夏の天候の頃、庶民が口にすることはおろか、目にすることもできなかった宮中献上品であった氷室の夏の氷の代替品?として創作した氷の結晶に似せた三角形のお菓子を、「みなづき」というらしい。
台は外郎で氷を表し、上には小豆を散らして魔除けの意としたそうだ。
これは、仙太郎でいただけるしおりに書いてあったうんちく?をざっくりまとめたものだ。
このいにしえの庶民の氷の代替品?という遊び心の産物は、庶民も氷を自由に口にすることができるようになった現在でも、私たちを喜ばせてくれる。なんて素敵なことだろう。
ただ、美味しいだけではない物語も含めて楽しめるこんな和菓子が気軽にいただけてシアワセなのである。