龍馬伝 第23回「池田屋へ走れ」の感想です。

今回は、なんだかあんまり心を動かされることもなく、龍馬や脚本にはひたすらイラっとして終わったのでなかなか感想を書く気になれなかった。ストーリーとしてもなんだか釈然としなくて。。。

なんか、龍馬がいちいち「どや」顔をしたり、わめいたりが多かったので気に障ったのだ。大友さんの時みたいに抑えたいい芝居だってできるはずなのにね、福山龍馬だって。。。


以下、一応ドラマの進捗に併せての感想です。


出だしの楽しそうな長次郎の祝言の席。

半平太が誰か(ひどい)の祝言の席で酔っ払ったときのまだ明るく楽しかった土佐時代をちょっと思い出して懐かしくなったりした。


おお、勝塾 の佐藤与之助塾頭が唄を!いいねぇ。

それにしても、なんてゆらゆらする画面なんだ???

ハゲタカ時代からゆらゆら画面=ハンディカメラによる映像には慣れているはずの私が気になるって・・・。

だって、祝言の席のたわいもない場面なのだからゆらゆらって演出上必要なのだろうか?

それとも、一見他愛が無いようでいて何か意図があるのに私が気付けないだけなのか?



なんて思っていたら今日の演出家は、真鍋さん。ふ~ん。


勝塾が神戸村で頑張っているのはいいんだけど、ウォーウォー言っている野郎ども(下品な言い方で失礼)のはちょっとしつこくて、ベタであんまり好きじゃないなぁ。

それより、数学や天文学、砲術までオールマイティに教えている塾頭が素敵だなぁとお角違いの感想を持つ私。

亀弥太の苦悩はわからんでもないですけんど、なんかああいう表現はちっくと納得いかんぜよ。

もうちょっと、見せ方っていうもんがあるんじゃないかな~。なんだか、冗長な感じがしていつものような無駄のない密度の濃さがなくって、正直言ってつまらなかった。

武市さんへの思いとかを強調して、それを「後戻り」と決めつける龍馬。なんかな~。


なんて思っていたら、クラリスたちがハゲタカになって日本をしゃぶりつくす会談をしているぅ~。

Let's bleed them dry! ですよ。。。こんなすごいフレーズ聞いたことないけど、ハゲタカではクラリスたちはいつも言ってたんでしょうねぇ。(←なんでもハゲタカ変換する脳のせいなので許してつかぁさい)

結局、江戸時代からすでにそういう対象になっている日本なんだなぁ。

クラリスじゃなくてアメリカ公使役のイアン・ムーアさんと、英、仏、蘭の陰謀だ。(笑)

キャンキャン言ってる、あの座敷犬はいったい何のメタファーなんだろ?


攻撃目標にされるなんて長州不憫だぁ。でも、この不憫な状態を耐え抜いてがんばったのも吉田松陰先生の教えのお陰だ。と、私は思っている。(笑)

そういえば、イアン・ムーアさんは第19回にもすでにご出演で、その際には英語で直接幕府の方と談笑していらっしゃいましたね。。。

龍馬伝 第19回 今日、5月10日は半平太も攘夷実行のはずだった(涙)

アメリカ公使の英語が若干、クイーンズイングリッシュチックなのは、昔だからOK。だって、昔のハリウッド映画の英語ですらイギリス英語っぽいきっちりした発音だったから、イギリス人ばっかりだった頃の米語があんな感じでも納得だ。むしろ、今のようなやったら巻き舌のまくしたてるような発音だったらびっくりだ。


「なるほどの~~、うちとはちごうて、手入れが行き届いちょる。クソ真面目な武市さんらしい家ぜよ。」って言いながら、勝手に武市宅にずかずか入ってくる弥太郎、ラブリ~。このセリフって結構好き♡

そうなんだよな~、私の愛する半平太のあの静謐な佇まいにぴったりな雰囲気のお部屋まで、きちんと作り込んであるこの龍馬伝が大好きなのだ。

そして、突然現れる東洋テレビの野中さん。じゃなくて 小市 慢太郎さんin牢番の和助。

牢で半平太と会話してた時は一瞬わからなかったけど、武市家の庭先でしゃべっている姿や声は野中さんが若干。(笑)

しっかし、自分と同じことをしているいや、「おじゃまします」と言っている和助に「なんじゃ、お前、勝手に人の家の庭先にぃ」とエラソーに言う弥太郎。いいことしててもキャラが一貫してていいなぁ。と、つい半平太のキャラのブレ方をいまだに怨んでいる半平太応援隊の私は思う訳です。


このシーン。半平太の声とその手紙を読んでいる冨さんで涙ぐんじゃいました。

武市夫妻の別れの名シーンで涙したと言う、うちの妹は大森半平太ではなく、奥貫冨さんの演技で泣いたと言っておりましたがなんだかそれもわかるような気もしたりして。。。奥貫さん本当に素晴らしいです。

そして、それを見つめる弥太郎と乙女ねえやん。いいな~、切ないな~。しっかし、アカデミー俳優が並んで豪華だな~、武市家の縁側。なんて思う邪念だらけのワタクシ。


このくだりって、結局武市半平太大絶賛祭りですよね。うれしいけど、こんなこと今更されても今までの支離滅裂な半平太をやらせた罪は消えませんよ、脚本家さんと素直な演出家さん。(←なんの権限もなし)


そのシーンに引き続き、汚いヒトがアップになったのでてっきり弥太郎かとおもいきや、やつれた半平太でした。思わず、一時停止。(今、2度目の鑑賞なので許して)なんていい表情なんでしょう。報道カメラマンとかが決定的な人間ドラマの瞬間を切り取るとしたら、こんな表情のときなのでは?と思うほど。南朋さんすごいわ。


そして、以蔵の登場だ!すっかり野生児のようになっている以蔵。でも、武市先生を認識したとたん表情が生き生きとする。すごいねぇ、佐藤健君。でも、出番が短くって残念。。。


個人的にはスルーしたい龍馬の熱い友情演説。

なんか、この脚本家、龍馬をどんなヒーローにしたいんだろう?

みんな訓練で忙しいのに、大演説。ちっとも心を動かされない。音楽がそれっぽいのが余計にむなしい。

陸奥さんや長次郎が言っていたように、志の違ったものはそれを尊重すべきだし、誰一人欠けても船が動かないというが、航海中は命懸けだったはずだ。代替性のない乗組員構成なんて考えられないしぃ~。(ものすごく低温)

なのに、惣之丞も陸奥さんも長次郎もみ~んなうつむいちゃって、心に染みいっていますモード。脚本の細かいト書きなんでしょうけど、納得できないな~。


それに、亀弥太を死なせたくないと探す手掛かりがお龍っていうのもなんだかなぁ。

池田屋で説明をしていた人は薩摩弁?すくなくとも長州弁ではないし、池田屋事件のなんたるかが頭に入っていない私にとっては、わけがわからなかった。

脚本家さんの意図でバッサリ切られたのでしょうけど、なんかとってつけたようなシーンで退屈だった。

亀弥太はかわいそうだけど、ここでもヒーロー龍馬は正しかったと言うために「後戻りは・・・いかんかったのう」が最後のセリフって。。。

それに、この一連のシーンの龍馬はいつもの如くわめくばかりでうるさい。

前回のように、以蔵を思って泣いているところとか、いい感じの芝居もできるのにど~いて?


新撰組が凄腕殺戮集団?だと言う表現として、亀弥太の切り傷をことさら強調したり、死体だらけになっている池田屋をBGMだけで映し続けるのはいいけど、ちょっとグロかった。


血まみれで堂々と「誠」の旗を掲げて行進する新撰組は、なかなかだ。

確かに、殺戮シーンを映さないことで想像力を掻き立てるうまい手法だ。

けど、だからって・・・なんで新撰組がこんなことしているのかドラマの中だけでわかろうとしている私には理解しがたい。

ま、龍馬伝だからいいのか・・・。でもあれだけ意味ありげな演出をしているんだからちゃんとドラマの中で決着をつけてくれるんでしょうねぇ、脚本家大先生なら。。。