キネマ旬報の素敵連載 香川照之さんの「日本魅録」にほんみろく。
現在書店に並んでいる、キネマ旬報2010年5月下旬号 の記事のタイトルが「泣く」だ。
香川照之さんの文章はすばらしい。日本語として素晴らしいのはもちろんのこと、その文章構成や人を惹きつける語り口、さらには演劇人のプロフェッショナルとしての視点で素人の私でも「我が意を得たり!」と思ってみたり、そうなのか~とひたすら感心したりする内容なのだ。
龍馬伝の撮影が始まってから、はやりその独特な撮影方法などを中心とした記事も多く見かける。
共演者である大森南朋さんや福山雅治さんとの交流なども書かれていたりして、龍馬伝ファンとしては非常にオイシイ内容だ(笑)
今回は出だしからすごい。
「武市半平太が亡くなった。
岡田以蔵もこと果てた。
中略
私は今日も感動しているのだ。
恐らくは、絶対に、150%、今後はありえないであろう撮影法で今期の大河ドラマが進められていることに。」
ですよ。。。
大友さんがテストをせずに、芝居の段取りだけでワンカットで最後まで撮ることについての、その素晴らしさについて、香川さんの素晴らしい文章で語ってくれているのだ。
ここ最近の龍馬伝で盛り上がっていて、大友さんの演出が好きな方なら絶対読んでいただきたい!
って、このブログを読んでくださっているようなある意味マニアックな方ならもうすでにお読みかもしれない。
なので、これはいつもの如く私の個人的な感動備忘録として流していただければありがたいです。
大友さんのその手法に心酔しきっているかのような、香川さんの絶賛ぶりがなぜだかうれしい。
そしてその手法の中で「既存の方法論の全てが死に絶え、ただ岩崎弥太郎が鵜のように私を呑み込んでいく」そうである(笑)
龍馬、半平太、弥太郎の三人が集まった最後のシーンが第27話(7月オンエア)だそうだ。
その時の、涙について興味深い事を語ってくれている。
龍馬伝における涙は特別だと。
その詳細に関しては、もちろんここではあえて書かないが、ひとこと言わせてほしい(笑)
「岡田以蔵を演じた佐藤健はまだ21歳の若者だ。彼がここぞと言うシーンで滂沱の涙を流し、役の中に入り込んだ姿を私達に提示してくれたのも、」その大友マジックだと。
やっぱり、佐藤以蔵って香川照之さんをもってしてもいい芝居してるんだぁ、と、私の以蔵に対する不憫萌えが決して妄想の賜物ではないと、太鼓判を押されたような気分。(←何言ってるんでしょうねぇ・・・)
ま、そんなこんなで第27回までは、半平太を楽しめるのだとわかったことも含めて大満足のキネマ旬報であった。