みんな楽しそうに、異国の機械?の仕組みを学習中。

小学生みたいな名札に藩と氏名。

真ん中の、氏名だけの名札の龍馬も仲良く学習。

この、楽しそうな勝塾の龍馬でスタートして、最後、色々あったあとの勝塾での福山龍馬の引き締まった陰のある表情との対比も素晴らしい演出でございました、第19回「攘夷実行」。


そんな中、土佐勤皇党からの派遣組達の無邪気なセリフ。


「ワシら、武市センセから離れてよかったかもしれん」

「ワシもじゃ」

・・・

「センセのいいなりになるだけの生き方は面白ないき」


いきなり、すっごい出だし。

龍馬の驚いたような非難めいた、そして半平太に同情するような複雑な表情もなかなかぜよ。

武市半平太に盲信的に追従した彼らは、勝先生が言っていたように若さ故、素直に異国から新しい事を学んでいく。

そして、異国と闘い排除することが攘夷ではないと肌で感じている模様。

今回、「ようわからんけど・・・」と言っている以蔵に説明している勝先生によると、勤皇党のようなタイプの小攘夷ではなく、自分は異国から学ぶ大攘夷なんだそうだ。


それにしても、龍馬伝ってタイトルロールの間も目が離せなくて忙しい(笑)

語り(岩崎弥太郎)香川照之・・・今週もかぁ・・・あれぇ、土佐の坂本家も登場するみたいなのに無理やり出番は作れなかったか。。。ま、半平太が生きている間は忙しいので(←何が???)いいけど。

あ、土佐のシーンでの半平太の妻、冨さんの表情が半平太の行く末を悟っているようでよかったです。


そして、最後の演出 梶原登城。思わず「おおおっぉ」←クレヨンしんちゃん風(笑)


わしはもう何をしたらえいがか、わからんようになってしもうた。

これを言いだす前の、膝あたりの着物をつかんでいる手の感じがいいぞぉ~、以蔵!

佐藤健君は目立たない手の使い方がすごくうまいんじゃないかしら?私が勝手に過大評価してるだけかな・・・。


龍馬に己の思うように好きなように生きればいいと言われても、その『己』が無い故、人斬りをやらされたり勝先生の用心棒になってみたりの不憫な以蔵。。。

それはいいとして、あまりにも半平太の立場が無い脚本(涙)


収二郎が半平太&大殿様を裏切ったという報告を受けたときの半平太もちっくと・・・。

過呼吸症候群ですな・・・あれは。前回の程ではなかったが、梶原さん演出でもやらされているところをみると、やっぱり大先生の脚本の詳し~いト書きにああいう感じでのけぞって倒れ込む、とあるんでしょうな・・・。(プリプリ)


しっかし、容堂公がにっくき武市半平太を好きにさせて、上り坂を演出しておきながら引き下ろし作戦にでたのは、世の中の風向きをみるのに長けていたからなんですか・・・。そういうことで納得しておきますです。


今回、いや、梶原さんの回はいつも(って2回目だけど)内容が濃くって展開がめまぐるしく無駄がないので忙しい。

あっという間に、容堂公の高笑いから江戸 アメリカ公使館かと思いきやクラリスがぁ~~~。

いいぇ、アメリカ公使のイアン・ムーアさん。

ひゃ~、っと思っていたら、あっという間に眉なしで怪しさ満載の慶喜が煙草をふかしているし。。。


あ、いきなりあの、字の下手な(失礼)久坂玄瑞 さんの登場~「気合の感じられない」by久坂さん 半平太が、桜の花と小鳥のさえずりと共に現れる。容堂公が土佐に帰ったことを指摘され、攘夷実行が危ういのを言われるまでもなく感じているのに、凛とした表情と佇まい。

大森半平太はいつも、その落ち着いた静謐なお部屋に本当によく似合った美しい佇まいなのだ。


そこに、勤皇党員の耳打ち。

移動した半平太の行き先には妙に迫力のある龍馬とかくまわれている「幼なじみですき」の以蔵と収二郎が。

もっとも信頼していたし、自分に懐いていたはずの二人までもが龍馬に・・・。

その淋しさと哀しさ、(自分に対する)悔しさが、一瞬のうちに入り乱れるあの表情。大森半平太凄い。


「飼い犬に手を噛まれるとはこのことじゃ」と、以蔵に言い放った半平太。

日本語としては、非常に正しい使い方なのだが、土佐の下士=犬猫同然でなおかつ、以蔵が言葉だけに反応して「飼い犬・・・」ってなっちゃって・・・。以蔵君、君は子犬のように武市センセに懐いていたではないですろ~か。。。

でも、お陰でやっと自分の心の叫びを声に出して言えたからよかったのかな。

でも、やっぱりこの脚本は大森半平太にアホなことわざわざ言わせるのでイヤだ。


収二郎のことを責める半平太に対して、大殿様の陰謀だと収二郎を庇う龍馬への半平太の「大殿様を親にも勝るお方」という、土佐の武士としての鑑のような発言。色々なことが破綻している、その象徴のような今回の腹心二人の裏切りに対峙してまでも、土佐の武士としての自分を貫き通す半平太。哀しすぎる。素敵だぁ、南朋さん。

口で言っていることと、表に出せない理性の狭間で引き裂かれそうな半平太を演じられるのはあなたしかいません!


「許してつかぁさい!」という収二郎。

もうここからの4人のやり取りは切なすぎて書けない。

みんなと一緒に涙ぐんだぜよ。。。(←一緒って・・・)


「天下の幕府が、姑息なことすんじゃねぇ!」by勝先生。まっこと、そうじゃきに!


攘夷が実行されるはず、そして己の信じる道が正しかったと証明されるはずなのに、今回の半平太の背後では常に桜がはらはらと散っている。。。(言うまでもなく、敗れ去る者のメタファーですよねぇ)上手いなぁ。。。5月に桜の散るような気候の年もあるのかな?と言うのは置いておく(笑)

月夜の控えめな桜吹雪の鷲津というのが、私的にはツボなのだが(←無関係ですみません)半平太もなかなかよかった。

しかし、鷲津のことを思い出さなかったのはやっぱり大森半平太の素晴らしさ。

結局、どんなに望んだ攘夷でも大殿様の命がなければな~んにもできないのが武士。


そして「静まり返っちゅう」土佐藩邸で呆然とする半平太を訪ねる龍馬。


「わしらは、何をまちごうてしもうたがじゃろうか。5月10日は攘夷実行が叶う日じゃったがに。その夢が潰れる日になってしもうた。」

はらはら散る桜と、ホケキョをバックに反省モードの半平太。

想いやり溢れる龍馬との会話で、容堂公の怪物ぶりをぶちまけられる半平太。

そして、半平太の行く末を案じて必死で土佐帰りを止める龍馬。


「武市半平太言う男を、わしの人生をすべてを否定することぜよ!」

「侍が、殿様を疑っら、それはもう、侍じゃないがぜよ


収二郎を助けたらもどってくる。

以蔵がいるから京にもどってくると言う。

あいつにはまっこと嫌なことばかりさせた。


この一連のセリフで、以蔵をただ道具のように利用しているだけなのか、良心の呵責があるのではないかとやきもきした大森半平太のあの表情 の理由をすっきりと教えてもらったような気がした。


「また会おう、龍馬」

ここから、もう涙が止まらなかったぜよ。。。

鼻水まで垂らしちゃってる福山龍馬とは対照的に、あくまでも侍の落ち着いた佇まいの大森半平太。

この対比がますます哀しい。初回は号泣し、今回2度目もやっぱり泣いちゃった(笑)


あ~、梶原さん、今回も濃く、そしてすっきりと楽しませていただきました。

ありがとうございます(笑)

半平太の余命もわずかなので、渡辺さん演出でも慈しもうと思ったが、やっぱり普通に楽しみたい・・・。