龍馬伝第17回 怪物、容堂 (演出:梶原登城) を見た後は、久々の見ごたえとすっきり感で感想速報 なんて書いてしまったが、その時点では、色々あって期待値も低くなっているし、もしかすると気のせいかも・・・な~んて思っていたのだが、そこにコメントを下さった口うるさい(←失礼!じゃが、褒め言葉ですきに!)方々も満足されていたので、気のせいじゃなかったと、喜びをかみしめた小心者のワタクシ。。。

じっくり振り返って喜びをかみしめるべく、録画を見ながら改めて感想を。

初お目見えの演出:梶原さんのことなどは感想速報 にすでに書いたので省略します。

いつもどおりの散文なので読み辛い点はご容赦願います。



前回、黒船上で躁状態だったイラっときた福山龍馬の演技。今回このシーンからスタートしたがやはりイラっとする(笑)。でも、トータス(松本)(ジョン)万次郎や勝テツヤからアメリカの民主主義を聞き、目を輝かせている福山龍馬はなかなかよかった。現在当たり前のように平等に投票権があるのも、こうした先人たちの気づきと熱意のおかげなのだと改めて感謝したくなった。


あと、びっくりしたのが龍馬は第16回の面接で合格して勝麟太郎の弟子になったものだとばっかり思っていたが、今回黒船の上で初めて、弟子入りを許可されていた・・・。早合点はいかんですろ~nanakoさん。


そして、勝先生の弟子になれた喜びをなんのためらいもなく、千葉道場で貫地谷お佐那様&いっけい兄上にぶちまける福山龍馬。そのある意味身勝手な物言いにショックを受けるお佐那様と、半ばあきれながらも怒りをにじませているようないっけい兄上の表情がよかった。

あれだけ、千葉兄妹がその熱い思いをぶつけて手厚くもてなしているにも拘わらず、我が道を行く龍馬に対していつまでも未練を捨てきれない哀しさ。。。

お佐那様の分かり易すすぎる龍馬への想いやその眼差しをものともせず言い放つ福山龍馬、すごい。

「ワシは、やっと自分の生き方を見つけたがやき」(←土佐を出るときに見つけたのでは???)


先斗町で「まっことすごいお方や、武市センセは!」って言ってるヒトって一瞬虻ちゃん(北陽の人)かと思った。そんなはずないけど、似てる~。←ど~でもいい感想ですみません。


先斗町での「人斬り以蔵」呼ばわり~人斬り~絵を描く半平太の部屋に至る佐藤以蔵、切なすぎるぞっ!


半平太ひどすぎる・・・絵を書いているだけなのに、全く振り返りもせず褒美だけ置いておくなんて。鬼ぜよ。

以蔵が銀を受け取った音がしたのに立ち去る音がしないから初めて「はて・・・」みたいな感じで手を止めて「どいた?」っていたわりのかけらもないお声掛け。

「ワシはいつまで人斬りを・・・」って言うときの以蔵ののど元や表情の陰りや何もかもが切なすぎる。そしてそれを本当にいいカメラワークで撮ってくださって感謝。(←私、いったいどういう立場なんだ?)

それを聞いて振り返った半平太の凍りつくような表情。

以蔵がビビって「なんちゃあ、なかです」ってそそくさと逃げ去るほどの視線だったんだろうな。。。

画面を見ている私たちにその瞬間の半平太の視線・表情は分からなかったが、以蔵のあの様子でこちらまで凍りつくようだった。

そして、以蔵が去ってから、半平太の昆虫のような眼を映す。って憎いわ~、梶原さん。上手い!


それにしても、半平太はひどい。以蔵をたぶらかしたときは、心を許せる相手が欲しかったから役目を与えなかったとか言っておきながら、まったくそんな暖かさなど以蔵ごときには分けないって感じ。

こんなところも、価値観まで身分にがんじがらめになっているのが伺える。

長次郎に「饅頭屋の分際で・・」と言った半平太と、三条様に対して徳川「慶喜公に会える身分にしてほしい」と言った半平太。身分がその物差しになっているという点で見事に筋が通っている。


身分なんて軽々と勝手に飛び越えて、運よく山内容堂公の御前にまで出ていけてしまった龍馬とはえらい違い。

そんな、身分にがんじがらめになって結局、悲劇の道を進む羽目になって。。。

そういう半平太が上手く描けているように思えたりする。


以蔵が、飯屋の娘をそのやり場のない気持ちの逃げ場にしていても結局なんにも満たされなくて、悪夢を見てしまう。。。飯屋での娘との会話のときの表情とか、佐藤健君、いいぞお~!

不憫萌えなワタクシも勝手に太鼓判!(←意味わかりません)

あざとい不憫描写だとシラけてしまうのだが、今回は流れも含めて素晴らしいですね!


そんな不憫な、夜も眠れない以蔵をほったらかしておきながら、役目のある収二郎と「こうして、たまにおまんと飲んだら気が紛れるき」って。。。半平太さん。どういて、そこまで相手によって愛情を注ぎ分けられるんでしょーか?


愛妻家らしく冨に、素敵な文や扇子を送ってそこでもあくまでも大殿様容堂公にお仕えしているだけだと。

乙女ねえやんに「日本の国のことを考えながら、お冨さんのことも考えちゅう」と言われる立派なお方、半平太。


坂本家の食事タイムでも半平太持ち上げ作戦???

もちろん、私の愛する半平太としては愛妻家であったり坂本家で尊敬されたりは当然なのだが、一方で長次郎や以蔵に対してあんな態度が取れる黒半平太が支配しているのだから、なんだか今までみたいに、素直に喜べない。お富さんの暗い表情がそんな私の気持ちを代弁してくれているかのよう。(←そんなわけない!)


この坂本家の食事タイムで、またしても龍馬の脱藩理由が補足説明された。上手いな~。

龍馬が坂本家=土佐を出ていくときには「龍馬は、自分が進むべき道を見つけたがじゃ」っていう乙女ねえやんの演技力由来の説得力でお茶を濁されていたが、「攘夷じゃ~いうて、土佐を飛び出したけんど」ってことなんですねぇ。。。

「けんかせんでも追い返せるがじゃ。それが龍馬の攘夷じゃ」ってお兄様。

龍馬の脱藩理由が納得できなかったのは視聴者だけで坂本家の方々はおわかりだったんですね。。。


ここに借金を申し込む弥太郎の登場。もちろん、弥太郎のテーマ「雑草魂」付き♪

ほんとに、坂本家の方々ってみんないいお芝居なさるわ~。いつ、どんなシーンでも無理なく楽しませてくれる。

弥太郎一人が喋っていても、全員の表情が雄弁で場面が濃い、濃い(笑)


弥太郎のコントもすっかり馴染んで、時代劇だってことでの違和感が消えてしまっているのがスゴイ。

なんぼでも×4、わかっちゅう×3などなど(笑)

でも、この同じセリフの繰り返しって元はと言えばハゲタカで鷲津が「買い叩く」×3をやったのが・・・。

ま、あれは「僕は1回しか言ってないんですけど」by大森南朋ですけど(笑)


それにしても龍馬を愛する女たちは、物分かりがいい。

『龍馬の選んだ道が、何か大きなことだから、日本を守ることだから』、引きとめない。

愛する男が望む道を進んでほしい、というのは分からんでもないが。

それに、その愛する龍馬に一生忘れないなんて言われちゃったら、その思い出を胸に一生・・・とか思っちゃうんだろうな~。かわいそうだよ~~~。


個人的に千葉道場には思い入れがなかったので、今まであまり触れていなかったが今回はなんだかよかったな。貫地谷しほりさんが凄くよかった。それにインスパイアされたのか福山龍馬もよかった。

表情も引き締まって、今までよりも深みのようなものも出てきたのでは?


最後に黒船の上での龍馬の表情が引き締まっていたのがよかった。スタートでのイラっとするくらい能天気な龍馬がここで活きてきたわけかぁ。。。深いなぁ。

その理由付けで、容堂公とのすごいやりとりを回想したってところが凄い。


ここでも突っ込みたいが、龍馬はそもそも吉田東洋殺害で追われていたはずなのに、容堂公は半平太が殺したと言い切っている。にもかかわらず、半平太を上士に引き上げるなんて怖すぎる。。。

素直に感涙にむせぶ半平太が憐れ。


これからの悲劇を予感させる材料も出尽くしたし、これからも楽しみぜよ!

って思わせてくれた梶原さん、ありがと~。